Golden Cross wrote:
> それはそれとして、あなたは政治を「弄うもの」とされているように見えます。

ある意味そうです。「政治」という日本語の意味は「まつりごと」で、元は
宗教行事のことですが、それが明治期に "politics" の訳語に当てられた時
点から、それは "politics" の持つ「他者を自分の思い通りに動かすための
ゲーム」という含意をもつように変ってきています。「他者」は「政治」の
場面によって「政敵」であったり、「他党」であったり、「他国」であった
りするわけです。

「政治」に影響される立場の人間(たとえば「国民」)がその「政治」のし
くみを理解することは、政治によって「弄」われることで自分の(たとえば
「国民」としての)利益を損なうことを予防することになりますから、政治
を「弄うもの」と捉えることはあながち無駄ではありません。

「国益」は多くの国民の、様々に異なった「自分にとっての利益」の延長線
上に存在する公倍数ですが、その「公倍数」自体、政治の弄び物になりうる
性質のものですから当然疑ってかかるべきです。自分の利益を守りたければ、
「国益」の話が出たら一旦は眉に唾つけて聞くのが正しい態度でしょうね。
で、その後で頭を冷やしてじっくりと「自分にとっての利益」と天秤にかけ
て考えればいいわけです。

萩原@グリフィス大学