At Sun, 11 Jul 2004 21:04:54 +0900,
in the message, <40f12ad1.8480%szk_wataru_2003@yahoo.co.jp>,
SUZUKI Wataru <szk_wataru_2003@yahoo.co.jp> wrote
|>してあります)、民事・刑事を問わず、真実を得るためであっても違法な方法で
|>集めた証拠は不採用です。
|
|補足すると、民事においては滅多なことでは違法収集証拠排除はしません。

再補足。
これは、重箱の隅な話……だと思うけど、あたしが勘違いしている可能性は
否定しません。
ただそうだとすると、意味不明ではありますが。


さて、証拠の「採否」と違法収集証拠排除とは違います。
証拠の「採否」というのは、裁判所が要証事実の証明のために当事者が申請し
た証拠方法について証拠調べを行うか否かを決定することで、裁判所が要証事
実の証明に無意味と判断すれば証拠申請が却下即ち「証拠調べの対象として採
用しないという意味で」不採用になります。
これはまさに裁判所の「裁量」。
これは「証拠収集の違法性とは無関係」です。

しかし、違法収集証拠の問題は、そもそも「要証事実の証明に役に立つかどう
かとは別」(むしろ役に立つことが前提と言ってもいい。刑事では役に立たな
いことは関連性の問題として区別する。)に「法律上」証拠として証拠調べの
対象とすることが認められるかどうかの問題。
これは「採否」以前に、証拠申請すら本来してはならないもの
(実際にはしないと違法性など問題になりませんが。)。

つまり、両者は、「証拠としての実質的な価値」と「収集方法の瑕疵という形
式」という異なる側面についての議論であるということ。


あるいは、「証拠申請自体は認めたが証拠調べの結果得た証拠資料に信用性が
ない=証明力がないから事実認定の理由としないという意味で」不採用という
意味かも知れません。
ならば、それは「違法性とはほとんどまったく無関係」。
単純にその証拠が信用できるかどうかだけの問題で、信用性にたまたま違法性
が影響することもありますが、それはそれだけ。
少なくとも、「違法収集証拠だから信用性がない」と一般的に言うことはでき
ません。
これも「証拠としての実質的な価値」の問題ですが、採否の問題はいわば、証
拠としての実質的な価値の有無を形式的に判断したもの。
一方証明力は、証拠としての実質的な価値の有無を実質的に判断したもの。

# 「不採用」という表現は法律に照らすと少なくとも3通りの解釈ができるっ
 てことだ。

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:szk_wataru_2003@yahoo.co.jp