古寺@例のごとく浦島です。

Shiino Masayoshi さんwrote:
> 
> In article <c6ohmd$2qn@utogw.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp> kuno@gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp writes:

> >  はい、「汽車」もうちの両親は古い人なんで普通な言葉でしたよ。

ですよねぇ〜...って、久野先生はちゃんと動力車の分類をしてしまう方
なので除外なのでしょうか(まだ言ってる^^;)。

> >        でも「湘南電車」なんてのも普通だったような      久野
> 
> 私の感覚だと、「汽車」ってのは、田舎に走ってるか田舎の方に行く列車
> で、「電車」以外の鉄道・軌道となります。

小人運賃な頃の感覚で、大人の感覚はこうなのだなと大体掴んでいました。

> 「電車」は、路面電車と国電ですかね。だから、「湘南電車」も私の感覚

勝手に追加させていただくと電鉄系の都市部近郊電車とか。

> だから、「湘南電車」も私の感覚
> では「汽車」。グリーン車の在る「電車」なんて、ねえ。尤も、最近は近

国鉄湘南電車については、そう呼ばれる事情が元々、沼津あたりまでの客車
列車を電車化するという一種の動力(方式)改革が有って、それを強調したい
ネーミングだったから...というのも有るようですね。国鉄の内部的にも、
運行系統としては列車区間(後に交通情報でまで「中電」とか細分化して言い
出しますが)電車区間という分け方をしたりも。
京急絡みの文書や著作だと、同沿線で湘南電鉄が吸収された後も「湘南電車
(または線)」と戦後暫く言い続けられていたあたりとの絡みの話がよく出て
来るんですが。「京急クロスシートの系譜」で周辺の歴史背景を説明してい
る記述あたりに、80系は元々が「湘南伊豆電車」だったかが、初期故障で
「遭難電車」とマスコミ等に揶揄されたきっかけで短縮され、湘南電車で
定着しちゃったとか。
新聞の戦時小説なんかで(湘南電鉄→短期間、京浜電鉄→)東京急行湘南線
(→京浜急行電鉄)を「湘南電車」と表現し続けていた記録も残っており、
いきなり5年かそこらの間で重複ネーミングをしたわけではなかったようで。

そのあたりの経緯を確認のため(湘南伊豆電車で)検索してみたら2つだけ
ヒットし、一方には「湘南伊豆電車」は公募によるもの、もう一方には
はしょるにあたって「遭難」の揶揄影響が記載されていました。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%22%E6%B9%98%E5%8D%97%E4%BC%8A%E8%B1%86%E9%9B%BB%E8%BB%8A%22&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=lang_ja

この80系で特に「電車」を強調される話としては、新潟電化時に修学旅行
用団体列車を、県のどうしても「電車」で(電気機関車牽引はいやだと^^;)
という要望で、80系をやりくりし、ランカーブ設定に苦心してなんどかし
た...というこぼれ話を、スジ屋さんの回顧記事や電化こぼれ話記事で数回
目にしています。この場合、先に出てきた「客車か否か」という境界線に
近い話で、牽引が電化されても箱が変わらない(汽車のまま)のは嫌だとい
う感覚ですね。で、80系だと2扉長距離対応でもちゃんと「電車」で、一般
側も動力車分類に忠実にとってくれると。

#ちなみに、Tの方が若干多い組成になったので、2エンジンDC急行程度の
#スジを想定(ランカーブの査定)していたら早着の続出になって性能に舌
#をまいた、みたいな話を記憶しています。今に比べればずっと、基準運
#転時分の算出が、経験則と手作業だったようで。

> 郊区間も酷電同然のロングシートが増えて来ましたから、「電車」になっ
> ちゃうんですかねえ。

自分の同世代らだと、ロングシート化された近郊型なんかまだ想像も付かな
い状況ながら、「中電」(朝のTVの運行状況案内で、人により中距離電車と
フルで言わず、そのまま略(変な表現)していた)に相当する範囲をもう「電
車」と呼んでいました。視点の起点が、電車とえば路面電車からの都市内
電車寄りな感覚は同じだと思うんです。むしろ「電車っていえばこうだろ
う」な出発点こそ同じでも、うちらの頃にはそこから中電あたりに視野が
拡大していっても、一般的には差異を見出さないんですね。で、区別もな
く「電車」と。下の例と違って、親が仮に汽車と読んでいたとしても、こ
の系統は客車の牽引がSLから電機に変わって、こんどは同じ電気でも電車
になったんだというのを見てきた人間が習慣的に「汽車」って言っていて
も、自分らは外観上の見かけから「明らかに電車やん、変な呼び慣わしが
あるなぁ>大人たち」って訂正掛けちゃうんですよね。
汽車・汽船が何に由来するか国語とかでやっちゃってますから、モトを知
らない我々の場合、運転系統やBOXシートに名残が有ろうが関係無しに
「見たまんま電車」と判断していたと。

#親がなまじ細かく「列車」と呼んだら「汽」のような否定要素が無い分
#受け入れる可能性が大かと。

さて自分のあたりは'60年代中盤以降、普通に地区内で過ごしていると旧型
客車も目に触れずに成人してしまうような土地(ある意味城東地区の方が
色々見られたわけか)なんで、いきなり予備知識先になくその姿を見たら何
だと思ったのだろうな?なんですが。おそらくある成長段階までは、(SL時
代も知る)親が「汽車」と言ってしまえば、これはある程度それで定着した
でしょう。電車だと思ってるものとの差異が見ため大き過ぎますから。
少し判断力付いていて「SLは牽いていないが、本で見るそれと同じ車が
連なっているし、広義で汽車なんだな」と、肯定的に納得する可能性も。
これも判断しだいで、特に自力判断を重視する段階では「列車...か?」
とか思う可能性も高くなっていったでしょうね。
頓着無いケースを思い出せば、ブルートレインブームであれを「電車」と
言ってしまわれてるケースが結構ありましたしね。TVでアナウンスするよ
うな、当時の「大人」世代でも。