河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

1995 年ですか。神林長平版ターミネータとか書いてある。
(ハーラン・エリソンにつっこまれるぞ...)

火星から来たと言う記憶と、TIPと言う戦闘用人工頭脳を持つ男、
邑谷(ゆうこく)というのが主人公。で、時間を遷移しながら、同じ
火星から来た戦友と出会う。みたいな話です。あんまり、ちゃんと
終ってないが、読後感は良い。

ちょっと、物足りないかなぁ。あんまり深読みしないで、ハードボ
イルドだと思えば良いのか? でも、いきなり相手を敵だと決めつけ
るのはやめて欲しい。

時間が比較的自由に変動する話なので、ターミネータっていうより、
P.K.ディック的な感じですね。95年だけど、その時に読んでも、き
っと古くさく感じただろうな。95 年っていうと攻殻機動隊だもの
ね。「マイクロフロッピィ」とか。もちろん、本の中でも博物館も
の扱いなんだけど。(そういえば、元祖 Outer Limit には、メモリ
カードが出て来てました。ZZZZZ だけど。カードってよりは3.5イ
ンチ・ハードディスクぐらいの大きさだったけど) 

「猶予の月」でも感じたけど、女性が出てくると世俗的になるのは
神林の特徴かな? その割に、女性に存在感がないし。

この話も、世界観の裏の「規則」が読めないな。そういうのを意図
的に避けているのかも知れないけど。機械たちの時間が、人間と逆
転しているって言うだけだじゃなくて、そこから出る効果とかをも
っと書いて欲しかったかも。こういう逆転している時間で面白かっ
たのは、TNG の All good things かな。

---
Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科