Re: 量子コンピュータって実用性があるの?
河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
In article <cf71us$2934$1@news.jaipa.or.jp>, "Kenji Kobayashi" <kenji@nasuinfo.or.jp> writes
> 小林@那須と申します。量子コンピュータの実用性に疑問をもっています。皆様の
> 御意見を伺えますでしょうか。
いろんなものが提案されているから、一概には言えないと思う。そ
れに、まだ、ダメって決めつける程、研究が進んでいるわけでもな
いし...
パーセプトロンの時みたいに限界を示す定理みたいなものが証明
されると一気に萎むだろうっていうのは想像が付くけど...
> ん。直感的には、256==2^8 程度なら実現できても、2^330 の重ね合わせを実現する
> 装置の実現は不可能だろうと感じます。
無線LANなんかは、波動の重ね合わせでデジタルの信号を伝えてま
すよね。
> また、たとえ量子コンピュータで巨大整数の因数分解のシミュレーションがが本当
> に可能になったとしても、暗号の安全のためには、別の一方向性を持った数学モデ
> ルを持って来れば済みます。Shor のアルゴリズムを実現すること自体については、
> その工学的な価値はないと考えます。
分子状態とかを計算するには膨大な計算が必要なわけだけど、実際
の反応は一瞬で終っているわけだから、それを逆に「なんか得意な
計算があるだろ?」っていう期待はありますよね。
それが、因数分解となるかどうかはわからない。しかし、通常の計
算機よりも早い計算が出来ることがわかれば、それにそった工学的
応用は見つかるんじゃないかな。
> 量子コンピュータは、デジタル・コンピュータというよりアナログ・コンピュータ
> に近いものです。アナログ・コンピュータの適用範囲は限られます。波動関数の重
> ねあわせを利用することで様々のシミュレーションが高速に実現できても、それで
> 高速に C コンパイラを動かすことはできません。量子コンピュータの応用はデジ
> タル・コンピュータとは異なり、シミュレーション的な分野に限られるように思え
> ます。
それは、状態を持つコンピュータというモデルに縛られているから
だなぁ。僕も、状態が作れないなら計算は出来ないっていう立場に
近いので、今のままなら面白くないとは思いますが...
分子コンピュータみたいに純粋に並列性による高速化を目指す方は
あんまり気にならない?
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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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