河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

In article <030630024757.M01376393@ims.ipc.kit.ac.jp>, chiaki@ipc.kit.ac.jp (Tsukamoto Chiaki) writes
> 物理から学ばれる方はどうしても座標系に引きずられるようです.

ま、そうかも。

多重線型写像が基底抜きに存在するってのは物理学者に取っては
難しいものみたいですね。

でも、直交基底は必ず導入できるわけだから(できない例もあるの
かな?)、結局、

    (1) 多重線型写像として定義されるテンソル
    (2) 座標変換に対して決まった変換をする多次元行列としてのテンソル

は同じものだと思います。

> 反変ベクトルというのは(多様体の)接空間なるベクトル空間に値
> を取る物理量の謂ですが, 座標系 {x^μ} から接空間に入る基底
>  {∂/∂x^μ} を用いて接ベクトル v を v = Σ_μ v^μ (∂/∂x^μ)
> と表し, 更にはそれを成分だけで (v^μ) と表す習慣は, むしろ
> 基底を常に意識していなければならない点で, 初学者にとっては
> 荷が重い場合もあるように思います.

たぶん、物理学者は「測定できなければ実在でない」みたいな立場
であって、テンソルが物理量であるとすれば、それは、「なんらか
の数値の集合である」べきだってことなんだと思います。テンソル
の数値表現としては、基底を意識した表現しかないですよね。 

しかし、例の「相対論は間違っている」人達も、
> 物理から学ばれる方はどうしても座標系に引きずられるようです.
であることは確かだな。

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus, 
              PRESTO, Japan Science and Technology Corporation
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科, 
           科学技術振興事業団さきがけ研究21(機能と構成)