Re: 表現の自由の間違え方
佐々木将人@函館 です。
>From:Takao Ono
>Date:2005/05/05 07:29:24 JST
>Message-ID:<050505162924.M0130770@flame.hirata.nuee.nagoya-u.ac.jp>
>
>wacky> 何の問題も無い状態からいきなりモデレーテッドにはならないでしょ。
>
># 最初から moderated になっていたニュースグループもあったような.
そうですね。
最初はunmoderatedでなければならないという制約や
問題がなければmoderatedにしてはいけないという制約はありません。
fj-NGMPでも新設のCFAやCFDかけるには
どちらかを明記しろとなっています。
そしてnetnewsの仕組み自体にmoderatedがあるってことが重要です。
>まずもってここが fj.soc.law であることに鑑みると, 「事前抑制」と
>か「事後抑制」という言葉は法律的な意味で解釈すべきではないかな,
>と思うわけで.
全くそのとおりです。
法律の話をしている時に法律的な意味を無視されては困ります。
># 昭和56年 (オ) 第609号... って, 北方ジャーナル事件ですか?
そうです。
……憲法で検閲の議論する時に
「この判決は見たことも聞いたこともありません」
というなら
「おとといきやがれ」くらい罵倒してもバチが当たらない程の
重要な判決です。
>つまり, 記事が読者の目にとまる「前」に, 現れないように「抑制」す
>るということだから, moderation は「事前抑制」ですね.
読者基準にすると厳格さに欠けますんで
(「おれっちの使っているニュースサーバーで見れなかったから
事前抑制なんだ」
なんて言い出す人がいるかもしれません。)
ここは厳格に行きましょう。
「公権力が外に発表されるべき思想の内容をあらかじめ審査し、
不適当と認めるときは、その発表を禁止する行為」
が検閲の定義だという点は前にも述べましたが
ここで事前審査か事後審査かという点に着目して
その点だけを取り出すと
「外に発表されるべき思想の内容をあらかじめ審査し、
不適当と認めるときは、その発表を禁止する行為」
すなわち「発表の前か後か」なんですね。
さて北方ジャーナル事件は「雑誌の出版」だったので
これをnetnewsへの投稿に置き換えるなら
「自分の使っているニュースサーバーにデータを送って受け付けてもらうことで
自分のニュースサーバーを使っている(自分を含め)他のユーザーや
他のニュースサーバーを使っているユーザーが
見ることが可能となった時点」をもって発表となります。
(どうしてそれが発表となるかについては
既に小野さんが説明しているとおり。)
今話題になっているキャンセルは
「既に発表された投稿」に対するもので
発表後の審査ですから「事後審査」です。
一方モデレーターがいる場合には
モデレーターに送ってモデレーターが流す、
もし問題があればモデレーターは流さない
すなわち「発表前に審査して発表を禁止する」
「事前審査」なのです。
もっともモデレーターの目をかいくぐってってことは
技術的には可能ですけど
そのことをもって「事後審査」と言い張るのは
(特に戦前の体制を想定してほしいのですが)
警察等の目をかいくぐって発表することができたからと言って
そのことをもって「事前審査ではない」とか「検閲ではない」と言うほど
おかしい主張と言っていいでしょう。
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cal@nn.iij4u.or.jp 佐々木将人
(This address is for NetNews.)
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ルフィミア「函館で桜の開花宣言だそうですよ。(5/1)」
まさと「あんなに雪多かったのにね〜。」
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