Kiwiです。

"H.Kunitachi" <eqhornet@hotmail.com> wrote:
|> |> |以下ネタバレありなので、見てない方は絶対絶対絶対!!観な
|> |いで下さいね。
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|あの年でいきなりめくらになるってことは、世間様の同情にすがる
|以外活きる術がないって事でしょ。
|それって、盗賊の首領を張っていた人間にとって死ぬより辛い事な
|のではないでしょうか。
|座頭市はこの男をそう言う境遇に突き落として、死ぬまで苦しみや
|がれって言ってる訳でしょ。

ゴメン、そういう演出だと「めくら」を差別的意味で用いていることに
なりますので、絶対にあり得ない解釈と言うほかないですね〜。

ここで「あり得ない」というのは、

(1)Message-ID: <20031105011209.F0A9.KIWI@do-z.net>と
   Message-ID: <20031108003142.F7B0.KIWI@do-z.net>で指摘している
   とおり、「北野武監督」は身体障害者が置かれている(差別を含む)
   社会経済状況について一定以上の見識があり、そういう人が自ら進
   んで視覚障害者差別を助長するだけの作品を世に送ったりするとは
   まず考えられない。

(2)それでも仮に、敢えて差別を広げるようなその作品をどうしても発
   表したいと監督自身が強く望んだとしても、プロダクションの局面
   で、プロデューサーはじめ、ほとんどのスタッフが止めにかかるの
   は必定。

(3)さらに、万が一、それでも企画が進んだとしても、ポストプロダク
   ション段階で数々の巨大な障害に当たり続けるはず。中でも作品を
   上映してくれる劇場が見つからないなど、必ずや上映自体を拒否さ
   れる流れになることは避けられないと考えられる。

つまり、作者もスタッフも興行主もまず間違いなく忌避するような作品
だという解釈になるので、その解釈は「あり得ない」と考えます。


|> 一番悪いやつを殺さず、視力を奪ってしまうのは、悪いやつには「(人
|> の心がよく見えるという)めくら」にして死ぬまで人の心=悪に苦しめ
|> られてきた民の気持ちを思い知らせてやればいい、という勧善懲悪のス
|> トーリー展開、水戸黄門的印籠の開帳、必殺仕事人的悪人狩り、でしょ
|> う。だとしたら※印のような物語よりは今作は「もう少しシンプルでな
|> い話」という感も拭えないでしょうね。
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|一太刀で相手を殺戮する座頭市に、そんな深謀遠慮は無いと思いま
|すが・・・。

残念ながら、作品を取り巻く社会状況から言って、おっしゃるような作
品なら世に出なかった可能性の方が高いと判断できると思いますよ。

|> なんにしても、シナリオがまだまだ十分練れていない結果として、こう
|> いう「意味のブレ」が出てきているとしか思えませんね〜。別の言い方
|> をすれば、目が開いていようが開いてなかろうが、映画自体の展開には
|> 大して関係してきてないという言い方が出来るかも。。。
|
|それについては賛成ですね。

そういうわけで、やはりここが落としどころじゃないですかね〜。
如何でしょうか?

ではでは。

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Kiwi / 川島  貴 <kiwi@do-z.net>
http://cinemasaloon.com/