Kiwiです。ぜんぜんこだわりはないのですが。。。

たいていは荒削りのままの北野武作品にはありがちなことなんですが、
この「座頭市」には特に曖昧な表現が多く残っちゃっていると言うこと
なのでしょうね。完成度が低いという印象がますます強くなりました。

"H.Kunitachi" <eqhornet@hotmail.com> wrote:

|> |以下ネタバレありなので、見てない方は絶対絶対絶対!!観な
|いで下さいね。















|> 「めくらの方が人の心は見えるんだよ」という台詞とセットなんでしょ
|> う。(めくらの方が人の心は見えるけど、)蹴躓いてしまう石は「いくら
|> (めくらが)目をひんむいても見えないのよね」、的意味。
|
|私は、目あき派です。
|情報量が多すぎると、かえって物事の本質が見えなくなるんで
|敢えて目をつぶる事によって本質を見極めようって事なんじゃない
|ですかね。

なるほど。

|> 編集があまり綺麗にまとまってないのでわかりにくかったのですけど、
|> この映画のクライマックスは、正義のヒーローである「人の心が見えて
|> いるめくら」が「悪いやつら」を完膚無きまでにぶったぎる格好になっていて、
|
|というより、「目くらの振りをして世渡りしている」決して正義の
|ヒーローではない殺人マシーンが、仇討ち姉妹にたまたま加勢し
|た、という極めてシンプルな物語ではないでしょうか。※

そういう見方も出来ますね。確かに一理あると思います。

ただそうすると、「さあ切れ」と覚悟を決めた一番の親分に、「誰が殺
すか。残りの人生、めくらになって生きやがれ。」というような市の決
めゼリフがうまく理解できなくなるんじゃないかなぁ。

一番悪いやつを殺さず、視力を奪ってしまうのは、悪いやつには「(人
の心がよく見えるという)めくら」にして死ぬまで人の心=悪に苦しめ
られてきた民の気持ちを思い知らせてやればいい、という勧善懲悪のス
トーリー展開、水戸黄門的印籠の開帳、必殺仕事人的悪人狩り、でしょ
う。だとしたら※印のような物語よりは今作は「もう少しシンプルでな
い話」という感も拭えないでしょうね。

なんにしても、シナリオがまだまだ十分練れていない結果として、こう
いう「意味のブレ」が出てきているとしか思えませんね〜。別の言い方
をすれば、目が開いていようが開いてなかろうが、映画自体の展開には
大して関係してきてないという言い方が出来るかも。。。

|> この点はあまり難しく考えてもしょうがないんじゃないかなー。
|> それよりも、芸人としてのタケシのサービス精神、というか
|> 「人の心が見える??←んなアホな」というツッコミ精神というか
|> なんやかんやいってもこれまでリアリズムを追求してきた北野武として
|> の照れ笑い、という感じのエンディングだと受け止めておけばいいので
|> はないかと。
|
|私もそう思いますね。マジメな場面になればなるほど、ボケなくて
|はいられない芸人の性ではないでしょうか。
|もしくはたけし特有の過剰な照れかも・・・。

こういう議論を展開して堅苦しく見るよりも、もっと肩の力を抜いて細
かいことは気にせずにみてくれ、というメッセージと受け取るのが良い
ような気がしてきました。(笑)


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Kiwi / 川島  貴 <kiwi@do-z.net>
http://cinemasaloon.com/