佐々木将人@函館 です。

法律の話をしたいのか
政治の話をしたいのか
きちんと切り分ける必要があるでしょう。

両方にクロスポストしている時点で
「問題が整理されていない」と認識するべきです。

この投稿のフォロー先はfj.soc.law限定です。

>From:Sin'ya <ksinya@quartz.ocn.ne.jp>
>Date:2003/10/25 10:34:11 JST
>Message-ID:<bncjum$d63$1@news-est.ocn.ad.jp>
>
>  日本政府が「一時」帰国の約束を守らないのは非難されるべきだという主張
>には賛成ですが、いま日本にいる拉致被害者が北朝鮮に戻るかどうかは本人が
>決めるべきだと思います。本人の意思が尊重されているならば問題ないと思い
>ます。
>  このような考えは国際(人道)法の考え方にも違反していないと思うのですが、
>くわしい方、どうでしょうか?

そもそも国際法の問題として論じているのですか?
国際法の問題として
「日本政府が「一時」帰国の約束を守らないのは非難されるべきだという主張
 には賛成」
というのがよくわかりません。

拉致が巷間報道されている状況で間違いなければ
「外国に行ってその国の人間を勝手に連れてくる」というのは
相手国の主権を侵害する行為であり
その損害を補償する方法は原則「原状回復」です。
この場合の原状回復とは「連れてきた人間を帰国させること」な訳ですから
原状回復が実現したことをもって
「約束を守らないのは非難されるべき」という評価が出てくるのが
私には謎です。
「いや、一時帰国の約束は(国家間の約束なので)条約にあたるのだ。
 一時帰国の約束を果たさないことが条約違反にあたるのだ。」
という反論をするのであれば
まず真っ先に議論しなければならないのは
先行する国際法違反と後行の国際法違反の衝突の処理であって
それなしに「一時帰国の約束を果たさないのは非難されるべき」とか
「でも本人が戻りたくなければそれでいい」というのは
法律論としてはあまりにもラフだと思います。
(仮に一時帰国の件が条約として国際法上の拘束力を持つにしても
 それは不法行為に対して原状回復を目的にした行動であることに
 争いはないと思うし
 対抗措置として国際法上の違法性を阻却するという私の主張は
 割と多くの賛同が得られると思います。)

国際法の議論と国際政治の議論もしくは感情論が
混同されているのではないでしょうか?

----------------------------------------------------------------------
Talk lisp at Tea room Lisp.gc .
cal@nn.iij4u.or.jp  佐々木将人
(This address is for NetNews.)
----------------------------------------------------------------------
ルフィミア「兄さん、秋休み、終わっちゃったね?」
まさと  「それ青いブレザーでキュンキュンさせながら言わないと……。」