Re: 分配律で分配する側の演算
こんにちは。早川です。
On Sun, 25 May 2003 19:36:15 +0900
chiaki@ipc.kit.ac.jp (Tsukamoto Chiaki) wrote:
> > 環の定義は色々な教科書で見てきましたが、分配する側の演算を可換群に
> > 限定しているものは初めてでした。
>
> していない教科書の例を挙げていただけますか.
例えば「新数学講座−代数学」ISBN4-254-11434-6 (p.6)
「環と体の理論」(p.4-5)
http://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/fsakai/bk.html
「群の発見」(p.95)
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/5/0067910.html
手元にないので確認できませんが近所の図書館で借りた本も全て同様で
和について可換群となっていなければならない、と明言したものは
無かったと思います。
> 集合 R が二つの演算 φ: R×R → R と ψ: R×R → R を伴い,
> 一つの演算 φ については可換群となり, もう一つの演算 ψ は
> どちらの成分についても (Z-加群 (R, φ) に関して) "linear",
> つまり,
>
> ∀ r, s, t ∈ R, ψ(φ(r, s), t) = φ(ψ(r, t), ψ(s, t)),
> ∀ r, s, t ∈ R, ψ(r, φ(s, r)) = φ(ψ(r, s), ψ(r, t)),
↑文脈よりrをtに置き換えて読みました
>
> になっている(分配律が成り立つ)とき, (R, φ, ψ) を「環」と
> 呼びます.
ふむぅ、線形性というキーワードがあるのですか。
非負の有理数の全体Q+は、+に関して可換群になりませんが
例え、+、・の両方の演算に関して可換群であったとしても
x + (yz) = (x + y)・(x + z)
が成り立たないのは、明らかですよね。
実は演算φ について可換群であることより、演算ψ が線形性を満たす事
が決め手だったのでしょうか。
それとも前者を満たさないと後者も満たされないのでしょうか。
> > 単純に、分配律は優先順位の低い方の演算で分配しなければならない
> > といった説明だと自分のような素人でも合点がいくのですが
> > それだと語弊が生じてしまうのでしょうか。
>
> 二項演算を演算子を間に挟む形で書くことにして, φ(r, s)
> を r # s で, ψ(r, s) を r & s で, 表したときに,
>
> r & t # s & t
>
> を
>
> (r & t) # (s & t)
>
> のこととする習慣のことですね. この習慣も分配律も二つの
> 演算を同等に考えてはいないことの結果でしょうが, それが
> どちらで分配するかの理由という訳ではないでしょう.
なるほど、確かに。
そうなると、どちらで分配するかの決め手は何になるのだろうと
振り出しに戻ってしまいました..
> の突っ込み所はそこではなくて,
>
> N = {0, 1, 2, 3, ... } に, その 0 の「積」に関する逆元は
> どのように付け加えるのか.
>
> 「非負の有理数の全体」は「積」に関して可換群ではない.
> 「正の有理数の全体」は「積」に関して可換群であるが,
> 「和」については「単位的」(単位元をもつ)ではない.
>
> というところでしょうか.
あれ、、0 の「積」に関する逆元は存在しませんよね?
この記事を読んでいても気になったのですが、そもそも自然数の集合は
0 を含まないですよね??
せっかく謎解きして頂いたのに済みません。
こんな調子では面白みも半減ですよね。。
ただ今回の特集で唯一食らいついていけるレベルの記事なので
繰り返し読んでいます。
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Shinya Hayakawa <tetryl@tokyoprogrammer.com>
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