Re: 分配律で分配する側の演算
工繊大の塚本です.
In article <20030527010254.EBDB.TETRYL@tokyoprogrammer.com>
Shinya Hayakawa <tetryl@tokyoprogrammer.com> writes:
> In article <030525193615.M01396373@ims.ipc.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@ipc.kit.ac.jp> writes:
> > していない教科書の例を挙げていただけますか.
>
> 例えば「新数学講座−代数学」ISBN4-254-11434-6 (p.6)
% R1. R は加法に関して加群である. (p. 12)
> 「環と体の理論」(p.4-5)
> http://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/fsakai/bk.html
% 環(ring)とは加法群であって, ……
> 「群の発見」(p.95)
> http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/5/0067910.html
うちの図書館には入っていなかった. どう書いてありますか.
> 手元にないので確認できませんが近所の図書館で借りた本も全て同様で
> 和について可換群となっていなければならない、と明言したものは
> 無かったと思います。
それぞれのテキストで「加群」「加法群」「アーベル群」その他
「可換群」の別名が使われていませんか. 名はともかく, 要求さ
れている事項はどうなっていますか.
> ふむぅ、線形性というキーワードがあるのですか。
本当は単に Z-加群に積が入っている場合でなく, 何かの体 K に
ついての K-加群, つまりベクトル空間に積が入っている場合の
方が身近だったりしませんか. 「環」ではなく「代数」(algebra)
と呼ばれることになるでしょうが.
# でも, Lie algebra には「リー代数」より「リー環」の方が多く
# 使われている.
> 実は演算φ について可換群であることより、演算ψ が線形性を満たす事
> が決め手だったのでしょうか。
> それとも前者を満たさないと後者も満たされないのでしょうか。
(a + b) * (c + d) = a * (c + d) + b * (c + d)
= (a * c + a * d) + (b * c + b * d),
一方,
(a + b) * (c + d) = (a + b) * c + (a + b) * d
= (a * c + b * c) + (a * d + b * d).
和について群になっているなら,
a * d + b * c = b * c + a * d.
二つの数の積になっている数については和は可換であることが
分配律から出ますね. 積が単位的なら可換でないといけない.
積が bilinear とするなら, 和は可換としておくものでしょう.
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塚本千秋@応用数学.高分子学科.繊維学部.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@ipc.kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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