Re: 分配律で分配する側の演算
誰も出てこないな。
塚本さんがお休みなのかな?
In article <20030524230728.28CB.TETRYL@tokyoprogrammer.com> tetryl@tokyoprogrammer.com writes:
>今月号の数セミを読んでいて、とても気になった内容がありました。
>下記 2003/6号 p.41からの引用です。
><<
> Nに・に関する逆元を付け加えると、非負の有理数の全体Q+になる。・に関し
>ては可換群、+に関しては単位的可換半群、だが、可換環ではない。分配律が成
>り立たないからだ。可換群になっている演算の方で分配しないといけないので、
> x + (yz) = (x + y)・(x + z)
>が要求される。が、これは成り立たない。
>>>
>分配律は可換群になっている演算の方で分配する、というのは定理に
>含まれているのでしょうか?
「定理」じゃなくて「定義」の問題でしょ。
単に「環の定義」を満たしていないだけの話。
引用元の文章に問題があるとしたら、
「分配律が成り立たないから」
「可換群になっている演算の方で分配しないといけない」
という説明の仕方でしょうね。
一般に知られている加法や乗法から出発して「Q+」を構成しているんだから、
x・(y + z) = (x・y) + (x・z)
という普通の分配側が成立しているという立場で説明するほうが解りやすい。
つまり、
「分配する方の演算が可換群になっていないといけない」
のに、それを満たしていないから「環ではない」と説明する方が
優れた説明だと言えます。
戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
toda@lbm.go.jp
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