工繊大の塚本です.

In article <f8d83d2d-896a-4c5e-80fc-78cba755a4a6@l32g2000vba.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> つまり,Eが線形写像かどうかは直ぐには分からないという事でしょうか?

違います. E が orthogonal projectionであるとは,
 E^* = E, E^2 = E となることである, という特徴付けが
後で必要となります.

> 無限次元の線形空間の場合ですかね。
> 有限次元線形空間では直交補空間は常に存在しますよね。

いいえ. 例えば, R^2 の不定値内積 ((a, b), (c, d)) = ad + bc
については, S = { (a, 0) } とすると S = S^⊥ であり,
直交「補」空間にはなりません.

> normal operatorとは可換なadjoint operatorの事ですね。

 adjoint operator と可換になる operator のことです.

> つまり,ψがfgのadjoint<fg(v),w>=<v,ψ(w)> (for∀v,w∈V)なる
> 線形写像ψ:V→Vならψ=gfの時,
> このψをnormal operatorというのですね。

違います.

> でもどうして正定値の条件が必要なのでしょうか?

正定値でないと, 上の例のように, 直交空間が補空間に
なるとは限りません.

> As_j = (Σ_{k=1}^r α_k E_k )s_j
> = α_1E_1s_j+α_2E_2s_j+…+α_{j-1}E_{j-1}s_j+α_jE_js_j+α_{j+1}E_{j+1}s_j+…
> +α_rE_rs_j
> = 0+0+…+0+α_jE_js_j+0+…+0(∵s_j∈ImE_jとE_jは互いに直交)
> =α_jE_js_j=α_js_j …①(∵E_jとs_jの定義)

 E_j^2 = E_j より s_j ∈ Im E_j なら s_j = E_j s_j ですから,
 i≠j のとき E_i s_j = E_i E_j s_j = 0 s_j = 0 です.
その意味で, ここで, E_j^2 = E_j と E_i E_j = 0  (i≠j) を
使っています.

> α_1,α_2,…,α_rは全て,固有値になっている事が分かりますね。

 α_1, α_2, ... , α_r が固有値の全てになっていることが
分かるのです.

> すいません。E_iE_j=0はどこで使えばいいのでしょうか?

上で述べた通り.

> 後,I=Σ_{j=1}^r E_jもどこで使えばいいのでしょうか?

 E_j v = s_j と置くと, v = s_1 + s_2 + … + s_r となる,
というところで使っています.

なお, Σ_{j=1}^r (α - α_j) s_j = 0 から,
各 i について (α - α_i) s_i = 0 である,
(従って, α = α_i であるか, s_i = 0 となる,)
ということを示すのにも E_i E_j = 0  (i≠j) は使われます.
-- 
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp