Re: 自己随伴写像AがA=Σ_{j=1}^r α_j E_jとspectral分塊されるなら,α_jは相異なる固有値になる事を示せ
工繊大の塚本と申します.
In article <2106f023-ce00-487b-b6d5-e5e8db3c7c57@x5g2000yqk.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/linear_algebra/no8.jpg
> という証明問題です。
>
> self-adjoint operatorの定義は
> 「VとV'をHilbert空間とすると
今考えているのは, 有限次元の内積空間 V 上の
線形変換 A: V → V ですがね.
> 任意のA∈{A∈Map(V,V');Aは線形写像}:=L(V,V')に対して,
> <x,By>=<Ax,y>(for∀x∈V,y∈V'、<,>は内積の記号)なる
> B∈L(V',V)が一意的に存在する。
> この時のBをAのself-adjoint operatorと呼ぶ」
B は A の adjoint operator です.
B = A のとき, A を self-adjoint operator と呼びます.
> orthogonal projections E_jの定義は
> 「Vの標準基底を{e_1,e_2,…,e_r}とすると
> V=span(e_1)(+)span(e_2)(+)…(+)span(e_r)と直和で表される。
> 任意のv∈Vに対してspan(e_1),span(e_2),…,span(e_r)の元x_1,x_2,…,x_rの
> 一次結合v=Σ_{j=1}^∞ a_j x_jとして
> 一意的に表される。この時,E_jx = a_j x_j と定義する」
E_j は span(e_j) のような一次元の部分ベクトル空間を
像とする写像とは限りません.
ちゃんとした, その問題が書いてある本での,
orthogonal projection の定義を探しましょう.
> eigenvalueの定義は
> 「F上の線形空間V,V'に於いて,A∈L(V,V')に対して,
> Ax=λxなる0≠x∈V,λ∈Fが存在する時,
> λをAの固有値,xをλによるAの固有ベクトルという。」
V と V' が一致していなければ, Ax と λx とが
等しいという条件自体が無意味です.
大きな勘違いであると言えましょう.
> 表現行列の定義は
> 「f∈L(V,V')とし,{v_1,v_2,…,v_s},{w_1,w_2,…,w_t}をV,V'夫々の基底とする時,
> f(v_j)=Σ_{i=1}^t(a_ij)w_i (j=1,2,…,s)なる行列(a_ij)を
> fの基底{v_1,v_2,…,v_s},{w_1,w_2,…,w_t}に関する表現行列と言い,[f]と表す。」
表現行列はこの問題には必要ない筈です.
> です。
>
> (i)より,∀i≠jに対して,α_i,α_jは相異なる。
V は実ベクトル空間で, α_i は全て実数です.
> (ii)より, E_j≠0(:零写像)で∀i≠jに対して,E_iE_j=0:(零写像)。
それだけでは足りません. E_j が orthogonal projection
である, という条件はどうなりますか.
> (iii)より,∀v∈Vに対して,(Σ_{j=1}^r E_j)(v)=Σ_{j=1}^r E_j(v)=v,
> つまりΣ_{j=1}^r E_j
> は恒等写像。
> それからどのようにしてこのα_jがdet([A]-α_jI)=0
> (但し,[A]はVの基底{v_1,v_2,…,v_r},{w_1,w_2,…,w_r}に関する表現行列,
> Iは単位行列)
> を満たす事を示せばいいのでしょうか?
行列の話に戻して議論することはありません.
先ずは, orthogonal projection の定義からですね.
--
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735