工繊大の塚本と申します.

In article <1d928a82-c582-4e33-9c4c-2db329301697@k8g2000yqn.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> Sierpinskiの三角形についてです。
> http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/p335_005.jpg
> 一辺の長さが1の正三角形S_0から図のように開小三角形を取り除いていきます。
> 最初に処理された 図形をS_1,二番目に処理された図形をS_2としていき,
> S=∩_{k=1}^∞S_kをSierpinski triangleと呼びます。
> 
> 正の実数のHausdorff dimensionをstrict Hasudorff dimensionと呼びます。
> Theorem2.5「Sierpinski triangleはstrict Hausdorff次元α=ln3/ln2を持つ」
> の証明がよく分かりません。
> 
> 『不等式m_α(S)≦1はこしらえ方から直ぐに言える』
> これはαの値は分からないんですよね。

いえ, α = log 3/log 2 です.

> m_α(S)=lim_{δ→0}inf{Σ_{j=1}^∞ (diamF_j)^α;S⊂∪_{j=1}^∞ F_j}
> S_0の面積が1/2・√3/2・1/2=√3/8<1なので≦1と言えますね。

 S_0 の面積は √3/4 でしょう. ともあれ, それと
 m_α(S) ≦ 1 とは無関係です.

# m(S) ではありません. m_2(S) でも少し違う.

> 『0<δに対し,2^-K<δとなるようにKを選べば,
> 集合S_Kは,直径が2^-K<δの3^K個の三角形からなっていてSを覆うので』
> はTheorem2.5の上記のSierpinski triangleの作り方の説明から分かります。
> 
> 『H_α^δ(S)≦3^K(2^-K)^αとならねばならない』
> 
> 右辺は直径2^-Kの小三角形らでぴったし覆ったものなので下限と解釈できますね。

右辺は下限を取るべき値の集合のうちの一つです.
左辺は下限を取った結果です.

> そして2^-K<δですから
> H_α^δの単調増加性(δ→0ならH_α^δは単調増加)から
> この不等式は成り立ちますね。

単調増加性は無関係です.

> 『しかし2^α=3であるから我々はH_α^δ(S)≦1と分かり,m_α(S)≦1』
> 2^α=3は何処から来たのでしょうか?

それが α の定義です. だから, α = log 3/log 2 なのです.

> それに2^α=3は無くても冒頭の"m_α(S)≦1"と
> H_α^δ(S)のm_α(S)への単調増加性から
> 必然的にH_α^δ(S)≦1は言えると思うのですが…。

 α を決めずに, m_α(S) ≦ 1 などということが言える筈が
ありません.

> 『不等式m_α(S)はより微小である』
> これはそうだと思います。S_0⊃S_1⊃… と進む連れて,
> S_Kを覆う直径2^-Kの小三角形の総面積もどんどん小さくなっていきますからね
> (たとえ任意のαで累乗してあっても)。
> ん? でもH_α^δは直径δが小さくなればなるほど増加していくのですよね。
> なんか矛盾しまんかね?

なかなか詩的想像力に富んでいますね. しかし, 書いてあるのは
「不等式 m_α(S) > 0 はもっと精妙である.」示すのが難しい
ものである, ということです.

> 『この証明のために我々はSの構築で現れる各三角形にある特別な点を
> 固定する必要がある。我々は"三角形の左下の頂点"を選んで"三角形の頂点"と
> 呼ぶ事にする。この選択でk世代の頂点は3^k個である。後に続く議論は全ての
> これら頂点がSに属するという重要な事実に基づいている』
> これは一応分かります。常に左下の点は残されていくわけですから。
> 
> 『diamF_j<δにおいてS⊂∪_{j=1}^∞ F_jとする。
> 我々が示したい事はΣ_{j=1}^∞(diamF_j)^α≧c>0なる定数c
> が存在する事である。』
> 何故,このようなcがと採れればいいのでしょうか?

どんな diam F_j < δ となる S の被覆 S ⊂ ∪_{j=1}^∞ F_j
についても Σ_{j=1}^∞ (diam F_j)^α ≧ c > 0 となるなら,
そのような Σ_{j=1}^∞ (diam F_j)^α の下限である,
 H_α^δ(S) についても H_α^δ(S) ≧ c > 0 となり,
 m_α(S) ≧ c > 0 が分かるからです.
 
> 『明らかに各F_jはF_jの直径の2倍の球に含まれる』
> これは何の事か全くわかりませんが。。どういう意味でしょうか?

 F_j というのは diam(F_j) < δ というだけで, どんな
形をしているのかわかりません. それでは扱い難いので,
球に取り直します. F_j の任意の点を取って, それを中心
とする半径 diam(F_j) の球を取れば, F_j の点は全て
その中に含まれます. この球の直径は 2 diam(F_j) です.

> 『それで2δをδで置き換える事とSはcompactという事気づけば』
> これも2倍の球の意味が分からないので2δがδに置き換えるとは何の事かわかません。

 F_j を球 B_j に取り替えたときの被覆は diam(B_j) < 2δ
の被覆です.

> Sがcompactになる事は分かります
> (∵S_0,S_1,…は有界閉集合なのでその共通部分も有界閉集合より)。
> 
> 『もし,S⊂∪_{j=1}^N B_j
> (但し,B={B_j}_{j=1}^Nは有限個の直径δ未満の球の族)
> ならΣ_{j=1}^N (diamB_j)^α≧c>0』
> これも分かりません。
> 何故S⊂∪_{j=1}^N B_j ならΣ_{j=1}^N(diamB_j)^α≧c>0なる定数cが
> 採れるのでしょうか

「 it suffices to show that 」というのが付いているでしょう.
「 ある定数 c があり,
   S が, 有限個の直径 δ 未満の球の族 {B_j} により,
   S ⊂ ∪_{j=1}^N B_j と被覆されるとすると,
   Σ_{j=1}^N (diam B_j)^α ≧ c > 0 が成り立つ.」ことを
示せば十分である, というのです.

> 『我々がこのような被覆球を持つと仮定せよ。B_jの最小直径を考えよ。
> そして1/2^k≦min{diamB_j;1≦j≦N}≦2/2^kなるよう
> にkを選べ』
> すいません。ここは何をやっているのでしょうか?

だからそういう c があることを示していこうというわけですね.
証明はまだまだ続きます.

意味が通じないのは, 書いてあることが間違っているのではなくて,
あなたが読み間違っているのですから, もう少し丁寧に読解をする,
繰り返し読む, 等の対策が必要でしょう.
-- 
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp