Re: 一次元実数空間RでBorel集合EのHausdorff測度とLebesgue測度が等しい事の証明
工繊大の塚本です.
In article <4dc30455-269e-484d-867f-0d0008970882@3g2000yqk.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> In article <090408214409.M0208144@cs1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > Lebesgue (外)測度の定義の F_k は(開)区間です.
>
> えっ? ほとんどの書籍は閉区間(または半開区間)で定義されてますが。
Lebesgue 外測度は元々 E を含む開集合の測度の下限で
定義されたのでした. 勿論, 閉区間で定義しようが,
半開区間で定義しようが, ごっちゃ混ぜにして定義しようが,
結局同じになります.
> え〜。どのように示せばいいのでしょうか?
それが書いてあったのではないのですか. 問題だった
のなら, 証明してみないといけないですね.
> inf{Σ_{k=1}^∞ diam(F_k);diam(F_k)<ε,E⊂∪_{k=1}^∞F_k}は
> ε→0の時,増加関数ですよね。
> 条件が厳しくなっていくに連れて増加するに,最終的には
> inf{Σ_{k=1}^∞ |F_k|;E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}に等しくなってしまう
> のはいまいち納得いきませんが。。
[a, b] を c ∈ [a, b] を使って, [a, b] = [a, c] ∪ [c, b]
と分けたところで, |b - a| = |c - a| + |b - c| なのですから
ε→0 でそんなに増加するという気はしないのではないでしょうか.
より正確に言えば, 任意の正数 δ について,
E ⊂ ∪_{k=1}^∞ [a_k, b_k], Σ_{k=1}^∞ (b_k - a_k) ≦ m(E) + δ
となる区間での被覆を取ったときに, diam([a_k, b_k])/N_k < ε
となる N_k を取って, [a_k, b_k] を N_k 等分したものを作り,
[a_k, b_k] をそれらの和で置き換えれば, つまり,
E ⊂ ∪_{k=1}^∞ (∪_{i=1}^N_k [a_k + (i-1)(b_k - a_k)/N_k,
a_k + i(b_k - a_k)/N_k] )
という区間での被覆を考えると, diam が ε 以下の被覆で
diam の和が m(E) + δ 以下のものが作れたことになります.
これから m_1(E) ≦ m(E) が分かります.
一方, R の任意の部分集合 F_k について,
a_k = inf F_k, b_k = sup F_k とすれば,
F_k ⊂ [a_k, b_k] であり, diam(F_k) = b_k - a_k = |[a_k, b_k]|
です. E ⊂ ∪_{k=1}^∞ F_k なら E ⊂ ∪_{k=1}^∞ [a_k, b_k] で,
Σ_{k=1}^∞ diam(F_k) = Σ_{k=1}^∞ |[a_k, b_k]| です.
これから, m_1(E) ≧ m(E) が分かります.
殆んど自明ですね.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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