工繊大の塚本と申します.

In article <8207b43b-1e3f-417a-a2f2-22ff6502042b@l22g2000vba.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 一次元実数空間RでBorel集合EのHausdorff測度とLebesgue測度が等しい事の証明です。
> 
> lim_{ε→0}inf{Σ_{k=1}^∞ diam(F_k);diam(F_k)<ε,E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}
> =inf{Σ_{k=1}^∞ |F_k|;E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}
> (diam(F_k):=sup{|x-y|;x,y∈F_k},
> |F_k|はR⊃F_kの体積(一次元なのでF_kの長さ)を表す)
> 
> まず,
> F_kは任意の部分集合(任意の(開or閉or半)区間の可算個和集合)で
> 閉集合とは限らないのでsup {|x-y|}=|x-y|とは言えないのですよね?

 Hausdorff (外)測度の定義の F_k は任意の集合ですが,
 Lebesgue (外)測度の定義の F_k は(開)区間です.
 F_k = (x, y) なら |F_k| = y - x = diam(F_k) です.

> それと
> inf{Σ_{k=1}^∞ diam(F_k);diam(F_k)<ε,E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}
> と
> inf{Σ_{k=1}^∞ |F_k|;E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}
> とでは前者は半径がε未満と限定されてたEの被覆F_kでの下限ですが
> 後者は任意のEの被覆の長さの下限ですから一般には
> inf{Σ_{k=1}^∞ diam(F_k);diam(F_k)<ε,E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}
> ≧inf{Σ_{k=1}^∞ |F_k|;E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}
> となると思います。

上と下では F_k として取ることの許されている集合の
範囲が異なっています. 従って, そのような不等式は
直ぐには分かりません. むしろ, 逆向きの不等式にも
なりそうでして.

> それがlim_{ε→0}を付けると
> lim_{ε→0}inf{Σ_{k=1}^∞ diam(F_k);diam(F_k)<ε,E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}
> =inf{Σ_{k=1}^∞ |F_k|;E⊂∪_{k=1}^∞ F_k}
> という風に等しくなるのはどうしてでしょうか?
> ε→0の時,前者の被覆としての条件はより厳しくなるので
> 等号成立が遠ざかると思うのですが…。

まあ, 1次元のときは, 直径の小さなものに限ることの影響は
極僅かなのですが, ともあれ, 一致することに何の不思議も
ありません.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp