2日目その4 [勿来〜錦]

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走行日: 2010年8月1日(日)

[地図: 関南町仁井田〜錦]

午前も終わりに近付いて来たところで, 海風に当たって少し体調が戻って来たこともあり, 気分良く走れるようになりました。滅入っていると観光する気にもならなくなって余計楽しみが無くなるし, 後で写真を見ても面白くないという最悪の事態になりますからね。

さあ, もうすぐ東北です。奥羽三関の全制覇を目指して頑張りますよ, って去年通ったのは新白河峠(仮)であって境明神峠では無いのでした。『平成の白河関』は通ったけど(^^;;;

写真コメント
[写真: 平潟堀割]
(11:52)

いよいよ県境が近付いて来ました。ここは平潟港の入口です。正面に大きな堀割が見えます。地形からして恐らく旧道は港側か, あるいはもっと内陸寄りを通っていた筈で, ここの国道は恐らく大正〜昭和の改修で造られたバイパスだと想像します。

なお, この堀割自体はまだ県境ではありません。

[写真: 平潟隧道 1]
(11:56)

こちらが県境である平潟隧道です。全長僅かに60m, 土被りも少ない小さな隧道ですけど, これのあるなしで通り易さは雲泥の差なのです。竣工は1958年(昭和33年)。

そう言えば, 今まで通った『東北の入口』の中では一番通り易いかもしれませんね。R7(新潟県村上市 - 山形県鶴岡市)は前後の地形がキツく, R4(栃木県那須郡那須町 - 福島県白河市)は峠そのもの。

[写真: 平潟隧道 2]
(11:56)
[写真: 福島県いわき市境]
(11:57)

という訳で関東脱出, 東北地方にやって参りました。福島県いわき市勿来町九面(なこそまちここづら)です。うーん難読地名。

唐突ですが, 私は蝉の中でミンミンゼミが嫌いです。関東に居るとこればっかり鳴いてるからうんざりしているんですよ。やっぱりアブラゼミが, 鳴き方も根性あって良いです。……トンネル抜けたら, 聞こえる鳴き声がミンミンゼミからアブラゼミに見事なまでに切り替わったんですけど, これは歓迎の合唱ですか?(^^;;; なお, ヒグラシはいつでもどこでもいてました。これも嫌いじゃありません。

[写真: 勿来海水浴場]
(12:00)

平潟と同様, 勿来にも漁港があるのですが, そこを過ぎると砂浜が広がり, 勿来海水浴場となっています。何しろこの暑さですから, 日曜ということもあって大盛況の様子を呈しています。

[写真: 勿来の関跡三差路]
(12:01)

海水浴場の正面で, 『勿来の関公園』へ向かう道が分かれます。勿論, 一大観光地なんですが, 今日に限ってはむしろ海水浴場の駐車場という役割の方が大きいみたいです(^^;;; 奥まで行く車, ほとんど無かったよ。

[写真: 勿来の関公園入口]
(12:02)
[写真: 吹風殿]
(12:12)

私は奥まで行きますよ。陽射しが人と自転車とアスファルトを焼き尽くさんばかりに照る中, 急坂をじっくり駆け上がり, 台地の上へと達しました。写真の施設は吹風殿(すいふうでん), 体験学習施設だそうです。

[写真: 勿来関文学歴史館]
(12:13)

道の頂部にあるのは, 勿来関文学歴史館。急ぎの旅行中でなければ入りたいくらいです。公園に寄るだけで精一杯……

[写真: 関桜亭前広場]
(12:13)

頂部ですので, 広場もありました。日向になっているのでとても休みたくない場所だと思うんですが(^^;;;, 僅かな日蔭で休んでる人居ますね。それも自転車の方のような。

[写真: かき氷レモン]
(12:19)

ここに『関桜亭』という売店がありまして, こちらは日陰に四阿も設けられています。ですので私はこちらで休憩。かき氷戴きます。

ここまでの走行記録……走行時間3.57.39, 走行距離73.31km, 平均速度18.5km/h, 最高速度49.5km/h(変わらず), 総走行距離8,833.3km。

休んでいたら, 地元の自転車乗りの方(向かいの広場で休んでいた方……かどうかは未確認)とお話しする機会がありました。この時はロードバイク(だったと思う)に乗っておられましたけど, 私のと同じホイール(650×38A)の自転車もお持ちだそうで, 換えチューブが無ければ下さるとまで仰いました。この先, このチューブが店頭で買える店は仙台くらいまで無いだろうという事で。でも私, 38Aのチューブが買える店が少ない事は知っていますので, 今日も3本持って来ています。ですので丁重にお断りしておきました。チューブはあるけど空気入れを忘れて来てるんだよな……それじゃ駄目じゃん水野夢絵です。

12:30出発。

[写真: 勿来関碑]
(12:33)

施設としての勿来関公園は道路の頂部ですが, 勿来関跡の本体は少し下った場所にあります(関跡そのものは丘陵の真の頂点?)。周辺には色々な史跡がありました。

……ただ, 身も蓋も無い事を言えば, 勿来関って実は存在が史実として確定していなかったりします。ただの歌枕であるという説もあり, もし実在したとしても場所がここであった根拠は薄く, 現在の地名としての勿来町は駅名(明治30年設置)由来の自治体名(大正14年成立, 昭和41年いわき市設置により消滅)から来ているものです。

[写真: 弓掛の松]
(12:34)
[写真: 勿来関址入口・源義家像]
(12:35)
[写真: 勿来関解説]
(12:36)
[写真: 勿来駅]
(12:42)

丘陵をガーッと駆け降りて, 勿来駅へやって来ました。……地形図で見ると勿来駅付近の集落って西側にあるから, 駅舎も西口にあるものと思ってたんだけどなあ。逆でしたか……

[写真: 常磐バイパス・R289起点]
(12:48)

地形図上, 集落と水田の間を走る細い道が, 常磐線の下を潜って国道と繋がっている筈……と見込んで言ったら案の定。そして国道に出てすぐ, 常磐バイパスへ入ります。全長27.7kmにも及ぶ新道です。旧道と明らかに距離が違うので, 急ぐ身としてはこちらを選ばざるを得ません。こっちを通ると平市街(いわき駅)に寄れなくなるけど, それは時間が許すようなら途中でバイパスを抜けるという手段を考えましょう。

バイパスに入ってすぐ, R289が分岐します。というか, ここがR289の単独区間終点なんですね(正確にはここから暫くR6に重複して終点へ向かう)。R289と言えば去年白河でちょっと経由した道ですし, かつての登山道国道と現在の石楠花『廃新』トンネルで有名な道, という訳で感慨深いものがあります。

[写真: ファミま! いわき錦町ウツギサキ店]
(12:52)

勿来関公園で大分体力を消耗しましたから, ここで休憩しておきます。ファミま! いわき錦町ウツギサキ店……って凄い名前ですな。どうやらこの付近は住居表示未実施で, 小字が残っているようです(字と書かない小字?)。

ここまでの走行記録……走行時間4.14.14, 走行距離78.18km, 平均速度18.4km/h, 最高速度52.7km/h(勿来関公園), 総走行距離8,838.1km。

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水野夢絵 <mwe@ccsf.jp>
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