"Taro Yoshida" <taro@dcc.co.jp> wrote in message news:bga2e9$gug$2@dccns.dcc.co.jp...
> In article <bg9209$294l$1@nwall2.odn.ne.jp>, syn@emit.jp says...
 
> >「般若心経」が作られた時代は、デジタル情報はもとより、原子の
> >存在、脳の役割すら一般には理解されていなかったと思いますから、
> >これを説明するのは大変なことだったと思います。
 
> 陰陽道だと全ての事象を「陰/陽」の2値情報にするわけですけれど
> 仏教とどちらが古いのでしょうね。

陰陽道だと分かたれる前の大極の想定があるわけですが、根本教理を
どこまで遡るかでしょうね。梵と大日など、仏道においても繰り返し宇宙の
総体概念が歴史的に現れますが、陰陽道も老荘思想や中国神話に至る
中で周代まで遡りますし、明確に古さを同定出来ないと思われます。

宗教概念は思考の道具としてこの宇宙をいかに理解する助けになるか
が肝要であると思います。空を情報として把握し物質にそれこそ即物的
に変換可能であると理解するのも一方便ですし、高い真空から物質が
泡として生まれ出ると物理的に解釈するのも便利な手法だと思います。

谷間に霧が沸き立ち、空から有体の水が降り、スカベンジャーや微生物に
より死体が土に帰る様を肌で感じていた古代人にとっては存外直感的に
「空即是色」は理解し易かったのかも知れません。


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