戸田@NGMCの新米委員 です。

他薦を承けて選挙手続きとしてのアンケートに応えて、
というあたりから気になっていたことがあるんですが、
先日の「fj-news.orgの諸資源を管理する体制が理解できていなくて
行動に迷いを生じてしまった」事件で、更に気になるようになりました。
そこで、思っていることをまとめてみました。

そもそもの始まりは、私が「fj憲章」の存在を認識していなかったことです。
fj.*から全く離れていたわけではなく、
かなりの数のグループを購読して投稿もしていました。
ですが、fj.news.policyなどの運営系グループの購読を避けていました。
もちろん、fj.announceなどはきちんと購読していたのですが、
それでも認識に入らなかったわけです。

私でさえこの状態なんだから、約2年の議論を経てようやくまとめあげた
折角の「fj憲章」が、効果的にアピールできていないんじゃないかと思いました。

キャンセル委員会設立の是非が論じられ、
選挙手続きのアンケートでも
投稿記事数の減少や他の参加型メディアとの対比が項目に挙げられるなど、
昨今のネットワーク環境の中でのfjが地位低下しているという危機感は、
fj参加者の誰もが抱いているのだと思います。
ただ、それに対してどう行動するべきかという考えは様々です。

私が最近思っているのは、
「fjソサイエティ外に対するアピール」が
決定的に不足しているのではないかということです。
「fj憲章」が充分に活用できていないことは、
その端的な例になっているんじゃないかと思います。

「外に対するアピール」の基本は、
「fjの存在を認識してもらう」ということでしょう。
そして、その基本的な手段は、
「fjとは何か」を理解するに役立つ情報が
目につくところに転がっている状況を保持することだと思います。

その意味で有益な既存文献は「fjの歩き方」関連文書でしょう。
内容的に古いものしか無い(特に「fj憲章」が採択された事実が
反映されたものは作られていない)という問題がありますが、
逆に言えば、それにさえ注意すれば充分な内容です。
しかし、問題点が2つあると思います。

(1)「理解するに役立つ」という意味で一面的な機能しか果せていない

詳しく知りたいと思った人が調べるには非常に有益な内容です。
しかし、如何せん、分量が多過ぎます。
とりあえず「概要だけでも識っておいて欲しい」と思う相手に対して、
相手が「もうイヤ」と思わない程度の分量で、
必要不可欠な内容だけを伝えるという機能は果せていません。

(2)「目につくところ」には転がっていない

「fjの歩き方」というキーワードで検索すれば沢山出てきます。
しかし、このキーワードを知らない人には、そもそも目につきません。

いずれも、「どういう人をアピールの対象にするか」によって
深刻性も対処法も大きく違ってくる問題点ですが、
私は、今fjが想定するべき「アピール相手」は

「電子ネットワークを介した公開性コミュニケーション手段のうち、
 最近流行のものは識っているが、NetNewsというものは識らない人」

だと思います。即ち、
「Web掲示板」というものには具体的なイメージを有しているが、
その程度しか識らない人です。そういう人たちに対して、
NetNewsという「想像を絶する存在」を認識してもらうための
最小限の情報を与えたい。

具体的には何でしょうねえ?
・対等で独立な「サイト」の集合体だということ
・従って「全体の管理者」は存在しないこと
・本来的には「ボランティアの行動を多数が容認」することで運営されていること
・「容認」という曖昧なことでは済まない部分については、
 「合意手続き」による正統化が図られていること
といったあたりが簡潔に説明できれば理想的です。
並行して示すべき具体的な情報としては、
・何が管理されていて、何が管理されていないか
・どのような「管理運営行為」や「管理運営組織」があるのか
・どの部分が「合意手続き」で正統化されていて、どの部分がされていないのか
ということが、これも簡潔にまとまっている必要があるでしょう。

アピールするべき内容の詳細については、今はこれ以上は深入りしません。
問題は「誰が」「何処で」実行するかです。

幸い、fj後援会の活動により「www.fj-news.org」が維持されています。
NGMCなどの「合意手続きで正統化された」組織の管理運営行為が
集中管理されています。この場所は利用できるでしょう。

現状では、「fjとは」という、
「NetNewsを識っている人」を対象にした短い説明があるだけです。
実は、NGMC管理部分の深いところに、
「関連文書」として「fjの歩き方」へのリンクがあります。
しかし、これでは「アピール」手段としては弱過ぎます。

理想的には、「http://www.fj-news.org/」にアクセスすれば、
上述した「簡潔な説明」があって、
「fj憲章」へのサイト内リンクや「fjの歩き方」へのリンクがあって、
その流れで「NGMC管理部分へのリンク」もあるという形が良いのでしょう。

しかし、それを誰が作って、誰が管理するべきなのでしょう?

fj後援会は、最終的な技術的部分を担うべきで、
内容についての責任を負わせるべきではないでしょう。
かといって、NGMCの仕事でも無いのです。
NGMPを改訂して職務に入れてしまうことも形式的には可能ですが、
筋違いですよね。

……とまあ、このあたりで考えがまとまらなくて、困ってるんですが、
とりあえず思っていることを文章にしてみました。
御意見をいただければ幸いです。

                                戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
                                 toda@lbm.go.jp