In article <db5a5j$p$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp> kiguchi@rist.kindai.ac.jp writes:
>まあ, 静水圧平衡で圧力の大きさを決め, 物体の表面に働く圧力をパスカルの
>原理にしたがって表面積分したら, 物体がどんな形であれ, アルキメデス原理
>が成り立つことは証明できるけれど, 計算じゃ元記事の人は納得しないだろう
>な。
>その上, 圧力の起源まで問題にされているし。どんなふうに納得するのが生産
>的なのか。私には手にあまる。
私も、そのあたりの判断がつかなくて、
どう発言するべきか悩んだまま止まってるんですが……

特に困るのが、
In article <3992131news.pl@rananim.ie.u-ryukyu.ac.jp> kono@ie.u-ryukyu.ac.jp writes:
>> てな具合です。基本的には『分子運動原因説』さえ否定できたら
>> それでいいんですけど真相はどこにあるのでしょうか?
>否定したいの? なんで? それはそれで面白い。
という意識が「基本」であるように読める書き方になっていることです。

浮力の説明をしようと思ったら、
どう頑張ったって「圧力」の概念から逃れられなさそうだし、
「圧力」自体が一般的には「分子運動」で説明されているんですから、
それを否定しない限り、「分子運動原因説」を否定することは不可能ですよね。

ただ、
In article <nqdBe.518$Sb.393@news-virt.s-kddi1.home.ne.jp> cafea605@hcn.zaq.ne.jp writes:
>その昔、まことしやかに分子運動が原因であるかのように語る者がおりました。
というのも別の意味で問題なような気がします。
「浮力」というものを、
分子運動から直接(「圧力」を介さずに)説明するというのは、
単に話を解りにくくしてるだけなんじゃないでしょうか?

「浮力」をどう理解するかってのも難しい話で、
その難しさが露呈する問題として有名なのが、
電車やバスの乗客が持っている風船の問題です。
発進や停止の際の加速度に対して、
吊り皮などと逆向きに動くことを、どう説明するか。

私として個人的に気にいっているのが、
「競争」で説明してしまう方法です。
風船も周囲の空気も共に重力に従って下へ行きたがっているのだが、
空気の方が下へ行く力が強いので、
「競争」に負けた風船は押し退けられて上へ行ってしまう。
この考え方だと、「電車の風船」の問題も同じ論理で説明できてしまいます。

この説明法には、「圧力」概念をブラックボックスの中に押込めてしまって
見えなくしているという特徴があると考えられます。
実際には「押し退けられて」というプロセスの具体的なメカニズムとして
「圧力」が関わってくるんですけどね。

……とまあ、元記事への回答にはあまりなっていませんが、雑感的に^_^;

                                戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
                                 toda@lbm.go.jp