神戸隆行 wrote:
> 神戸です。
> 
> On Tue, 29 Mar 2005 08:44:24 +0900, wacky <wacky@all.at> wrote:
> 
>> OOTANI TAKASHIさんの<uzmwnd9w9.fsf_-_@anet.ne.jp>から
>>
>>> 企業で私用メールとか私用ニュース投稿が認められるかどうかって、
>>> fjのポリシーと関係あるんでしょうか?
>>
>> まあ、「一般的に認められていると考えられるか否か」という話ですね。
>> それ以降の判断の基盤となる話です。
> 
> 
> 基盤?
> wacky氏が自分の考えの基盤にしているというのはわかりますが、
> 残念ながらそれは共有可能な基盤知識になりえません。

まだ大谷氏の基本的な考え方を十分に知らずしていろいろな疑問を投げかけるの
は控えようと思いましたが、神戸氏が我田引水のごとき姿勢をとっているモンで
「そんなアホな」という気がしたものですから、時期尚早という感はあるけれど
も大谷氏の意見に対してもう一歩踏み込もうと思う。

そもそも、大谷氏の、

      企業で私用メールとか私用ニュース投稿が認められるかどうかっ 
      て、fjのポリシーと関係あるんでしょうか?

の疑問の立て方がややおかしい。「fjのポリシーと関係あるんでしょうか?」と
いう疑問は、以下の二つが最低の前提条件を為した疑問である点に注意しなけれ
ばならないでしょう。

    (ア)fjのポリシーがどういうものかが明らかである事、
    (イ)そのポリシーと憲章規定の(4)に言う「正当な権限にもとづい
       て利用し」が関わる趣旨である事(構成要件要素の全てがポリ 
       シーと直ちに関わるとは限らないが、わたくしの考えは、むしろ
       関わらしめて解釈すべきであって、しかも、これこそが決定的 
       だ、とする立場である事は別投稿で既に申し上げたとおりであり
       ます。)

さて、第一の(ア)について。大谷氏は、以下の憲章の規定(3)がそのポリ
シーであるとしているようであります。

   (3) fjは、企業や組織を越えた、個人という立場の自由な言論を前提と
        する。したがって、fjに投稿された記事については、投稿した個人が
        責任を持ち、所属機関が責任を問われるものではない。また所属機関
        に属することで個人のfjへの投稿内容が制約されることもない。

しかし、わたくしは、これはfjのポリシーを「点」で部分的に語っているだけ
で、これで網羅されているものでは無いか、これがポリシーというのであればfj
にはもともとポリシーが存在しないに等しいと考えます。すなわち、ここでは、

    (A)個人という立場での自由な言論を前提とする
    (B)fjに投稿された記事については、投稿した個人が
           責任を持ち、所属機関が責任を問われるものではない。
    (C)所属機関に属することで個人のfjへの投稿内容が制約されること
        もない

の三点に限定して述べたに過ぎず、個人と所属機関との<投稿内容に関する責任
関係>を思いつくままに並べたに過ぎない。要するに、この<投稿内容に関する
責任関係>は(4)に言う「正当な権限にもとづいて利用し」の内容を明らかに
する事は一切無い。

さらに、他の部分を見ても「正当な権限にもとづいて利用し」に関するポリシー
が「明らか」とも言えない。全体の趣旨からポリシーを読めといわれてもそれは
不可。なぜならば、憲章規定の「全体」というのであれば、「正当な権限にもと
づいて利用し」も「全体」の中のひとつであって、今、まさにその内容が何たる
ものかを問われているものだからであります。問いを以って問いに答える事はで
きない。

第二の(イ)について。fjの憲章規定から演繹される明確なポリシーというもの
があって、且つ、「そのポリシーと憲章規定の(4)に言う「正当な権限にもと
づいて利用し」が関わる趣旨であることもほとんど期待できないのであれば、む
しろ、大谷氏御自身がfjのポリシーを他人から頂戴しようとするのではなく、ま
た、憲章の(3)に求めたりするのでもなく、自らの価値観あるいは姿勢として
自ら創造的にfjに付与するという姿勢が必要であった。そして、その姿勢で以っ
て「正当な権限にもとづいて利用し」を解釈すべきであった。この姿勢は単にfj
憲章の解釈に止まるものではなく、法解釈一般に通ずる姿勢でもある。

ともあれ、以上の一点については補足をさせていただきましたが概して大谷氏の
見解には好感が持てるとわたくしは思いました。fjの「ポリシー」を取り上げら
れた点もわたくしの考えと軌を一にするところがあると思う。fjのポリシーで振
り分ける事を知らない神部君が大谷氏の考えに親近性を示すとは奇妙な事です
な。(笑い)

> 
> 私は前にも似たようなことを書いた通りで、大谷氏の考えは妥当だと思います。

うっぷ!(^m^)ととか言ってここでも滑稽な我田引水を試みられているようなの
でやはり問題としないわけにはいかないですね。そこで、ここでも大谷氏の以下
の記述を問題にしてみようと思う。

    1.憲章は「正当な権限にもとづいたメールアドレスの利用」を求めて
      いる。

まず、大谷氏は「正当な、、、利用」を求めている、といってこのこと自体は憲
章の表現そのものを写しているだけであるが、これが何を意味するのであろう
か?「正当」、「権限」、「利用」にどういう内容を盛るべきものと<解釈>さ
れるのであろうか?「正当」は必ずしも「適法」を意味しない以上、神戸氏のよ
うに「違法」ではない、と強弁してwacky氏に立ち向かう見解は誤りだというこ
とだけは分かる。内容を明らかにしていない大谷氏といえども、

      社内目的に貸与されたメールやドレスを用い、社外目的にりようし
      てfjに投稿するのは「どうなんだろう、この規程ではいけないこと
      なんだろうか」くらいの問題にはする向きもいて然るべき表現では
      ないか、

くらいは頭をよぎるのではないかな。理由は、「正当」で無い、はそういう意味
にも取れるからであります。そういう意味にもとれる以上、wacky氏が疑問を提
起したこと自体は正当であったと言うことになる。

    2.企業におけるメールアドレスの目的外使用云々は、個人と企業の間
      のプライベートな問題であり、他の参加者の関知するところではな
      い。そんなものは「投稿者の自己責任で解決してくれ。

なるほど。「個人と企業の間のプライベートな問題」である事は確か。しかし、
他面、fjが私的当事者間で問題を孕むようなメールアドレスを用いる事を私人で
あるfjが拒否していけない事も無いはず。これを<社会的潔癖性>と言うならば
fjはそれを目指しているかもしれないのですぞ。ゆえに、これを否定するのなら
ば他に何がしかの理由付け(=ポリシー)が必要となる。なお、「投稿者の自己
責任で解決」すること自体は議論上誰も否定はしていない。wacky氏の考えに立
てばfjが解決する事になるなどとなるわけでもないからこの部分は残念ながら無
意味。

    3.憲章はどういう条件を満たせば正当な権限かを列挙したりしない。
      何が「正当な権限か」は個々人で異なるので具体的に書かない。
      本人が正当だと思えばその本人にとっては正当である。

この考えは神戸氏や河野氏やIkeda氏とは真っ向対立する考え方ですね。した
がって、神戸氏にとっては我田引水にさえなっていないと言うべきでしょう。w
「列挙」したりはしないということは「正当な権限、、、利用」が意味不明でよ
いということでは決して無い。意味不明でよいならば憲章の役割さえ果たせない
事になる。一般に法規は「列挙」を必然のものと考えてなどないわけで、抽象化
したことばでは意味がわかりにくいであろうという法規自体の配慮から出た一手
段であるに過ぎない。wacky氏はもちろん「列挙」していないことを批判しては
いない。ここでは、大谷氏は周辺の仮定の話で埋めるのではなく、「正当な権
限」は解釈によって意味を埋める性質のものである事を言うべきであった。

わたくしに言わしむれば、それを決める指針が、正にfjの価値観であり、それを
背後に持った姿勢、大谷氏の言われる「ポリシー」を基にしたものでなければな
らないわけであります。

なお、わたくしは、「個々人で異なる」と「本人が正当だと思えばその本人に
とっては正当」とがドッキングした考えには反対であります。

    4.「企業におけるメールアドレスの目的外使用」を肯定も否定もしな
      い。というかそんなことは憲章の守備範囲外である。

勿論守備範囲外。「目的外使用」自体を肯定したり否定したりした論者はこのfj
には今のところ居ない。安心してくだせい。「目的外使用」をしたい方はどんど
んやってくださって結構なのですが、その場合、fjでは投稿を拒否願うか拒否を
願わないかの違いなのです。

こう見てくると、神部君、あなたには人の意見を尊重(必ずしも賛成だけするこ
とではない)して聞こうとする姿勢がそもそも欠落しているとは思いませんか?

イエーリングに感化されたというのであれば、日本版イエーリングとして末広厳
太郎大先生の書物でも読み、「解釈する」とは何ぞや、をもっともっとお勉強す
る必要がありそうですね。(笑い)

以下、くだらない言い合いっこは全てカーット!

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Golden Cross