Re: 大気の自転
In article <ckq1o3$s9m$1@news01.iij4u.or.jp> ishihara@y.email.ne.jp writes:
>そんなわけで、
>>摩擦、粘性を含めて、「大気の自転」が分かるには、
>てのは、ちょっと私も知りません。
>むしろ、そんな問題に(今の日本で)一番うまく答えられるのは
>戸田さんじゃないかって気がしてきた :-P
なんか、過剰な期待が寄せられてるような^_^;
何れにしても「摩擦」とか「粘性」とかいうのが
曲者であることは確かでしょうね。
日常生活の中で常識的に接するものだから、
「当たり前の解り切ったモノ」と思ってしまいがちなんだけど、
冷静に考えてみると、
比較的マトモな「分子粘性」でもかなりイイカゲンな代物で、
「摩擦」なんてものになってくると、まるで正体不明の代物です。
それを「こんなんで、ええんかいな」というような大雑把な理論で
エイヤと扱ってみると、何故か結果は経験値に綺麗に合ってしまう。
なんか、そういうイメージの代物だと思うんですよね。
それだけでも厄介なところへもって、
大気とか海洋とかいうスケールの大きい話になってくると、
そういう、日常的な「摩擦」や「粘性」と全く異なるものが、
結果的には「摩擦」や「粘性」と等価に振る舞うという話になってきて、
どう考えれば良いのだということになってしまいます。
仕方が無いので、そんなところで思い悩まずに、
結果だけ認めて先へ進んでしまえというのが、
以前に書いた
In article <cjtr2i$ie8$1@bluegill.lbm.go.jp> I write:
>そして、この「渦粘性」の本質的なメカニズムは何かということも
>研究されていますが、多くの研究者は、あまり関心を寄せていません。
という態度なわけです。
要するに「労多くして実り少ない」ことが
事前に判ってしまっているから手を出さないということなんですね。
決して「どうでも良いこと」と思っているわけではない、
むしろ重要な問題だという認識はあるんです。
このあたり、量子力学の基礎論に通じるところがあるかも。
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ただ、私の見るところ、汐崎さんが悩んでいるところの本質は
「摩擦」や「粘性」では無さそうに思えるんですよね。
むしろ、悩みを解決する手段として
「摩擦」や「粘性」を持出そうとしているように見えます。
In article <C2Tbd.3$g%4.0@news7.dion.ne.jp> dh.shiozaki@s3.dion.ne.jp writes:
>>> 車を止めるにはどうするか?無論ブレーキをかけますね。
>>> 流体を止める場合はどうか?
>この出発点から、私目の、認識が違うみたいです。
>大気や海洋は、地表と同様に、高速で動いていて、
>地表の観測者は、地表と一緒に動いているから、
>等速円運動(近似的には、等速度運動)をしている座標からは、
>停止しているように観測される。
>たしかに、絶対静止の観測座標が、仮想の座標以外には、
>存在しえないことは、わかります、、、
>地表と、大気や、海洋の速度を議論する場合には、
>少なくと、地表とも独立な基準の座標系で考えるものと思っていました、
というあたりの「座標系感覚」に本質があるような気がします。
大気や海洋を地表と同期して自転する座標系で扱うというのは、
決してア・プリオリに決まっていることではなく、
むしろ経験則に基づくことなんですよね。
現実問題として、大気は地表とほぼ同期して自転しており、
その中にスケールの小さい相対運動(=微妙な回転速度差)があるわけです。
そういう状況が「現実に存在する」ことが前提になっている。
もちろん、「何故そういう状況が現に存在するのか」という
設問を立てることには何も問題は無いのですが、それに答えるに際して、
「静止座標系基準で考える」という、別のア・プリオリな仮定を
暗黙に(無意識のうちに)置いてしまったところで話が狂ったんだと思います。
戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
toda@lbm.go.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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