>H = p2/(2m) + δ(|x-x0|)δ(|y-y0|)δ(|z-z0|)
>> の箱の中で自由運動する量子を用意し、
>>
>> x = 0 (y-z平面)に壁δ(x)を置く前後で、観測を行わない場合
>> 量子は、x < 0、x > 0の両方に広がって存在する。
>> この現象は、トンネル効果の極端なケースですが、
>> 波動関数が複素関数であることの意味をハッキリと教えています。


この現象は、
  すでにポテンシャル井戸中に、量子の存在が確認された後で、
  それ以降に外へ漏れ出す、言わば量子が従う力学の結果である
 『トンネル効果』とは異なり、
量子が行う一切の運動とは異なる
量子の存在自体の性質によるものであって、

量子というものが、
その存在を確定しない場合、
いかに通常の3次元空間に存在する物質とは異なる
存在のし方をしているかを示すものでした。



>> 恐らくは、もっとハッキリとさせるため2つに区切られた箱を分離して
>> 別々の場所に移動させても、その両方に広がって存在するのでしょう。


これは、
箱は貫通し、内部の量子とは相互作用する別の量子の照射により、
両方に存在すると結論せざるを得ない干渉結果が出るという
佐藤文隆さんの 岩波新書『宇宙論への招待』の p196に
紹介されているもので、
文献まで示すことは出来ませんが、恐らく
実際に行われた実験も存在するものと思われます。