青龍です。

"Kaz Hagiwara" <kazhagiwaraspamfree@yahoo.co.jp> wrote in message news:2pjfbeFlbaibU1@uni-berlin.de...
> そこなんですが、これに関してこれまで言われてきた問題点二点に
> 関してどう思いますか。
> 
> 
> 日本がどこまで「反省」すれば反省したことになるかという点が一点。

 過去の侵略を認め反省するという態度を明らかにすることが第一です
が、これにもまして重要なのが、このような反省と矛盾する行動を取ら
ないことですね。
 具体的には、過去の侵略の事実を否定したり侵略を正当化したりしな
いことが重要だと思います。
 他方、これを守ってさえいれば、謝罪を繰り返すことは、それほど重要
ではないと思います。

 「日本が謝り続けているのに中国はいつまでも謝罪を要求し続ける」と、
中国を非難する人がいますが、これは余り正確ではありません。基本的
に中国が反発するのは、政治家の問題発言や、教科書問題、靖国神社
への首相の公式参拝など、過去の反省の態度と矛盾するような行動を
取った場合です。
 これ以外に、両国の首脳が相互に訪問した場合などに、歴史認識が問
題になることはありますが、その場合は、正しい歴史認識を持つことの重
要性を強調する程度で(余り繰り返されると鼻につくのは確かですが)、日
本側が反省の姿勢を崩していない限りそうですねと受け流せる類のもの
です。

 
> 日本の「誠意」が中国側のフィルターを通してどこまで誠意として
> 「人民」に理解されるかという点がもう一点。

 これは確かに重要な問題だと思います。日本の姿勢をアピールすること
は大切です。
 ただ、、中国側の対応を理由に「誠意」を見せないとすることは、妥当と
は思いません。
 まず、過去の侵略行為について反省し、謝罪している日本が、それと矛盾
した行動を取らないことは、謝罪は誤りだったと方向転換をしない限り、謝罪
した側としては当然のことです。
 また、日本としては、過去の謝罪と矛盾した行動を取らないこと自体は新た
なコストを伴うものではありません。むしろ、中国側がODAや無償援助を過去
の問題と絡めて利用しにくくすることで、これらの打ち切り(中国の経済発展の
程度からすれば、もうこれらの役割は終わったと思います)を容易にするでしょ
う。

> 一点目は、いくら反省したって相手の要求はきりがないという意見
> の根拠ですし、二点目は、いくら誠意を見せたって政府が自分とこ
> の「人民」にちゃんと伝えていないだろうという反論を生んでいます。

 以上のように、これらの主張は、必要な対応をしなくていい理由にはなりま
せん。

> # ODAとか円借款とか無償援助とか、これまで中国に対して
> # してきた資金援助の実績はどこまで一般大衆に伝わっている
> # んでしょう?

 資金援助の実績をアピールすることはもちろん重要ですが、その効果をうち消
すような政治家の発言や行動はこれらの巨額の資金を無駄にしているという点
で相当問題があると思います。