青龍です。

"yam" <h_yam@h8.dion.ne.jp> wrote in message news:xAW9c.138$G14.96@news1.dion.ne.jp...
>  おとなしく全財産を強盗に奪われるままにしていれば侵入した
>  強盗に殺される危険はない事が分かっているのに、その状況
>  で逆襲に転じて強盗を殺害したら過剰防衛で責任を問われる
>  でしょうね。

 これはいくら何でも無茶でしょう。
 窃盗ならともかく、強盗という時点で生命・身体への危険は生じて
いるのだから、それに対する反撃行為は通常正当防衛といえるで
しょう(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律参照)。

>  また、近所に住んでる誰かが強盗とわかって、そいつが自分の
>  財産を持っているのを確認したからといって、自力救済で強盗を
>  殺して財産を奪い返したら、奪い返した方が強盗殺人です。

 これも、自力救済の否定が正当性を持つのは、国家が法の定める
手続によって救済してくれるからだということを失念しています。
 仮に最初の国連決議を前提としても、その後のイスラエルが入植地
を拡大したことについて国連もアメリカも何もしてくれなかったのです。
 このように、上位者による救済が全くなされていない状況で、自力救
済も否定するのは、弱者に強者の横暴を甘受しろといっているに等し
いでしょう。

>  軍人であろうと戦闘以外で殺すのは間違いですね。
>  シャロンであろうと、ヤシンであろうと、アラファトであろうと。
>  シャロンを殺すなら、イスラエルと全面戦争の末殺すべきだし、
>  ヤシンを殺すならパレスチナに侵攻して焦土と化して殺すべき。 
>  それが、スジです。

 確かに原則はそうでしょう。
 しかし、実際問題、パレスチナ側にイスラエルと正面から闘う能力
はありません。正面からぶつかれば、パレスチナ側はすぐに全滅し
てしまうでしょう。
 正面からぶつかれないのであれば、おとなしくしていろというには、
現在のパレスチナの状況はあまりにも不公正に満ちています。
 私は自爆攻撃を積極的に肯定したくはありません。また、自爆攻
撃をしたからパレスチナ人が自分たちの権利を回復できるとも思い
ません。
 ただ、自爆攻撃以外でパレスチナの人々が自分たちの権利を保持・
回復することが可能なのか、おとなしく国際社会に対し救済を求め続
ければ権利の回復が可能なのか、と問われれば、否といわざるを得
ません。
 国際社会が、パレスチナの自爆攻撃を非難するのであれば、同時
にそれ以外の平和的な方法で彼らの権利を回復する筋道を示すこと
が必要でしょう。
 そして、国連決議を無視して入植地を拡大したイスラエルと、それを
黙認するアメリカも強く非難しなければいけません。特にイスラエルに
ついては、経済制裁ぐらいはすべきです。
 このような措置を執らずに、絶望の中にあるパレスチナ人が起こし
た自爆攻撃のみを、テロとして非難することは、結局イスラエルに一方
的に都合のいい不公正な現状を追認することにしかなりません。
 
>  個人が犠牲になってもやむをえないと考えて自らが自爆テロを
>  行うのも問題外だと思いますが、きやつらは、判断能力のない
>  少年を誑かしたり、さらには、単に「荷物を届けて」と騙して
>  爆弾を運ばせ、少年もろとも爆殺しようとしている卑怯者の
>  集団です。
>  そんな連中のどこに正義を見出せばいいのでしょう。

 私も、今回の少年を利用した自爆攻撃が事実なら、それは非難さ
れるべきだと思います。物事の是非もよくわからない少年に、自爆
攻撃をやらせるぐらいなら、命じた本人が行うべきでしょう。これは
自爆攻撃の是非以前の問題です。
 ただ、そもそも今回の報道が事実かどうかには私は疑問を持って
います。
1.ヤシン師殺害の直後であり、それまでよりも自爆テロの志願者が
 増えるときにわざわざ、少年を唆して行わせる必要があるのか?
2.相手が少年とはいえ、イスラエル軍が自爆攻撃者を武装解除して
 その命を助けるようなことをするだろうか?
3.自爆テロを行おうとした少年が、その背景をイスラエル側に素直
 に話すだろうか?
 というような疑問があり、イスラエルがヤシン師殺害の非難を逸らす
ためにフレームアップを行った可能性も捨て着きれないのです。