In article <20030821210959cal@nn.iij4u.or.jp>, SASAKI Masato wrote:
>前提としては慣習法の成立の要件には
>主観的要素である「法的信念」すなわち
>「それが法だから守る」という意識の存在が要求されていることが
>あげられます。
(後略)

 ありがとうございます。けっこう興味深い世界ですね。

>で、頼光さんには申し訳ないんだけど
>例えば「キャンセルするなら実名でやるべき」という主張が出て
>ある程度の支持を得られているという事情は
>「fj の原則だから実名を名乗る」
>ことの補強になるのです。

 私がキャンセルをすることが匿名ゆえに批判されることも、
実名という原則があることが補強されることも、私から見て
別にマイナスなことではありません。

 前者は許容しているデメリットですし、後者はむしろ私も
それを支持する者です。

 なお、このような事情が補強に使えるという発想はありま
せんでした。言われてみればなるほどですね。

>片方を「歴史」をふまえて認定しておきながら
>もう片方については「歴史」をふまえないというのは
>そりゃあ恣意的です。
>……でも明示の決定は歴史なんか吹っ飛ばしますわな。
>
>私の上の説明って実は正面突破ですよ。

 いちおう確認ですが、「片方」が“過去の fj の実名原則”
で、「もう片方」が“現在の fj の実名原則”ということで
すね。

 ここでの私の危惧は、改めて整理すると、“変化点が無い”
を論拠にしている点にありました。“変化点の存在”を論証
すれば覆るから。が、現実的にはそれで構わないとして問題
なさそうです。

 ちなみに、あんまり自信が無いから挙げませんでしたが、
変化点となりそうな候補は、こんなものです。

 ・有料プロバイダが増え、大学や企業以外からの購読者が
  増えた
 ・匿名アカウントがポピュラーになった
 ・2ちゃんねるという匿名掲示板がポピュラーになった

 例えばこういった社会変化が、fj 購読層をして原則を放
棄させたと論証することが、技術的には可能なんじゃないか
いなとか思っていたわけです。

# 2002末〜2003初頭のキャンセル提案時のエピソードで「補
# 強」ができるのだから、上記の3項目は時系列だけで却下
# できます。

 まあ、私に論証できないくらいだから、馬鹿にはますます
無理でしょう。<3f44a71e.7675%m4649@eastmail.invalid>
で□■□■□氏がその無能力ぶりを自ら証明していますし。

>> 正面きって言おうとすれば、例えば「原則」という言葉に
>>「例外」の存在を暗黙に許す意味がある点に注目し、実名投稿
>>者が存在することで「原則実名である」と言うことは辞書的に
>>はできます。が、この基準では下限が規定されないので、0で
>>なければOKとなってしまい、例えば「原則」に沿う事例が
>> 0.000001 % という状況でも「崩れていない」と言えてしまい
>>ます。
>
>それで問題ないんですよ。
>もともと事例数とか比率だけで決めているんじゃないんだから。

 ふうむ。
 要するに、「原則」という言葉の定義の問題ですか。

 改めて考えると、「それなりに実態として機能する」とい
う含みを、「原則」という言葉には私は感じていたのですが、
それはノイズだったということのようで。

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頼光 mailto:raikou@mug.biglobe.ne.jp
専門:宗教学、歴史学、社会学、情報工学