Re: 「こんど」「つぎ」
しらいです。
In article <bh7vnh$oii$2@ns.src.ricoh.co.jp>,
Junn Ohta <ohta@src.ricoh.co.jp> wrote:
>前の記事で「こんどの○○はでっかいぜ!」のようなCM
>があったと書きましたが、こういう表現は関西ではあま
>りピンと来ないものなのでしょうか? 私はとりあえず全
>国で理解してもらえる表現だと思っていたのですが。
自分から発話する場合には余り使わないんじゃないでしょうか。
少なくとも「直近の未来」という意味で「今度の」と言うことは殆
んど無いんじゃないかと思っています。
関西だと「今度の電車」のように限定用法は用いずに、「今度来
た電車」「今度来る電車」のように叙述用法を用いて形容するよう
な気がしますね。
「今度」だけでは明確な時制を表すことが出来ないので「来る」
「来た」を添えて初めて時制を表せるんじゃないでしょうか。
一方耳にする場合は、最近はテレビの影響で関東圏の言語文化に
慣れ親しんでしまっていますから、関西人でもそう違和感なく捉え
ることが出来ると思います。
でもそれが言い手の意図を明確に捉えた結果なのかどうかは何と
も判断し兼ねますね。
敢えて「今度の」を使う場面を想像してみると、関西だとその時
制は「直近の過去」になるような気がします。CM フレーズの例で
言うなら、そのフレーズは現在完了形になるので予告 CM としては
あり得ないかと。
試しに広辞苑を紐解いてみますと、「今度」には「(1)このたび。
今回」と「(2)この次」の二つの意味が載っていますが、この例文
がそれぞれ「−の功を賞するせらるるぞ」「−の事件」と「−行き
ます」「また−ね」になっています。
例文を見る限り、(1) は限定用法で (2) は叙述用法ですよね。
で、「先発」を表す「今度」は意味的には (2) だと思うんですが、
用法は限定用法です。
関西人はこの例文と同様の使い方をしていて、「今度」が限定用
法の時には「直近の未来」とは判断出来ないんじゃないかと思うん
ですが、他の地域の方々は、限定用法の「今度」に「直近の未来」
の意味を持たせることが一般的なんでしょうか?
>まあ関東発のCMで関西圏でのウケをあまり考えずに作ら
>れたものである可能性はありますけどね。
「ウケ」まで考慮するんだったら、東西の笑いの質をも含めて考
えた上で作って貰わないと :-)
--
しらい たかし
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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