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Sun, 05 Jun 2005 11:35:25 GMT,
in the message, <1sBoe.188$Sb.31@news-virt.s-kddi1.home.ne.jp>,
"T.Mishiro" <mishiro@jcom.home.ne.jp> wrote
>話題が違うので別スレッドにするべきかもしれませんが、道路交通法
>のサイトがあったので、
>http://www.houko.com/00/01/S35/105.HTM#s8

法令検索は、
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
がいいですよ。

何しろ国がやってるサイトですから(戸籍法の人名漢字で間違えるというお粗
末なこともしていますが。)一番信用できます。

# 法庫も悪くはないですけど、時々条文に間違いがあります。

>今まで気になっていたことをちょっと調べてみました。
>|第117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円
>|以下の罰金に処する。
>|1.第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した
>|者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により
>|正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
>|
>|第117条の4 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は30万
>|円以下の罰金に処する。
>|2.第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両
>|を除く。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める
>|程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
>
>酒飲んで自転車に乗っていいのか、いけないのかよくわからん。
>ふらつくほど飲んではいけないということか?

既に別に指摘がありますが後学のためにちょっと解説。
まず道交法の115条以下の条文は「単なる罰則規定にすぎない」ので「その罰
則が適用になる禁止規定は別」です。
なので、上記引用条文中にもあるとおりそれぞれ酒気帯び等の禁止規定である
65条第1項を読まないといけません。

で、65条1項を見ると、

何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

となっているわけですが、道路交通法においては「車両」というのは、

第二条(定義)この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ
当該各号に定めるところによる。
(略)
八  車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。

であり、「軽車両」とは、

十一  軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車
両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含
む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外の
ものをいう。

ですから、「自転車は車両」です。
さらに「車両等」とは、

十七  運転 道路において、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)
をその本来の用い方に従つて用いることをいう。 

となっています。
つまり自転車は「車両等」に含むということになります。
したがって、「65条1項に定める酒気帯び運転の禁止は自転車も含む」という
ことになります。

その上で、罰則規定に戻ると、117条の2第1号は「車両等」としか書いていな
いので自転車も含むことになります。
即ち、「酒に酔った状態」で運転すれば、罰則が適用になります。
一方、117条の4第2号は「車両等(軽車両を除く。)」とあるので、自転車は
含みません。
即ち、「身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態」いわゆる
酒気帯びの場合には、65条1項違反であることには変わりありませんが、罰則
規定は適用になりません。

結論。
自転車も飲酒、酒気帯び運転は禁止である。
しかし、違反しても酒気帯びは罰せられない。

# 違反かどうかと刑罰が適用されるかどうかは別でです。
 ですから「罰則規定を見ただけでは禁止行為かどうかは解らない」です。

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SUZUKI Wataru
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