SATO Tatsuya wrote:
> あまりちゃんと読んでいないので既出かも知れませんが、
> 次のようなのは出ましたか?
> 
> =====================================================
> S_n = Σ{k=1 to n}a_k
> L_n = Σ{k=1 to n}a_k - Σ{k=n+1 to ∞}|a_k|
> U_n = Σ{k=1 to n}a_k + Σ{k=n+1 to ∞}|a_k|
> 
> とおくと
> 
> L_n ≦ S_n ≦ U_n
> L_n ≦ L_{n+1} ≦ U_{n+1} ≦ U_n
> U_n - L_n → 0
> 
> から区間縮小原理により S_n は収束する。
> =====================================================

いや、出ていません。
(収束)級数の剰余を使うというアイディアはすでに小林さんが
出していますが、収束の定かならぬ Σa_k の剰余の代わりに、
存在が保証されている Σ|a_k| のほうの剰余を部分和 S_n と
組み合わせるというのがなかなか見事ですね。

もっとも学生が実際にこの答案を書いてきたら....
かなり無気味だなあ。

> 区間縮小原理を説明するのには結局コーシー列を使うわけですが、

それは問題ないでしょう。
実際、『解析概論』なんかの流儀だと、デーデキントの切断から
実数の完備性を与え、コーシー列の収束を定理として証明しますが、
その途中で区間縮小定理を経由しますから。

> 単に「絶対値の和が収束 ⇒ 元の和も収束」をイメージする目的
> ならこのような証明がわかりやすいんではないかと。

部分和 S_n 君がいくらジタバタしても、両側の壁がその動きに合わせて
迫ってくる、という感じかな。

> # 議論を一般の完備距離空間にも拡張できますし…

ですね。

(平賀)