Re: 正しいとは Re: 全裸の強要
At Fri, 02 Jul 2004 21:49:44 +0900,
in the message, <20040702214721.3649.DSS@mbj.nifty.com>,
DSS <DSS@mbj.nifty.com> wrote
>真実は1つで事実は1つではないのではないでしょうか?(^^;
「真実」と「事実」の意味するもの次第。
ですが、わざわざ「真実」と「事実」を対比するものとして扱っているところ
から推測すれば、「真実」とは「客観的絶対的実体的事実」、「事実」は「主
観的相対的擬制的事実」を指すのだと思います。
であれば、まったくその通り
(と言うか、ただの同意反復なので当り前だ。
つまり、「一つしかない真実は一つで一つとは限らない事実は一つでは
ない」と言っているのと何ら変りがないということ。)。
しかし、そもそも訴訟の目的は、客観的絶対的実体的事実を明らかにすること
ではありません。
民事訴訟の目的は、「紛争解決」です
(これだけではないというのが通説ではありますが。)。
そもそも「人間である裁判官に客観的絶対的実体的事実を明らかにすることを
期待する方が間違っている」です。
ですから、極論すれば、「そんなことはどうでもいい」のです
(特に民事に限ればね。)。
# 客観的絶対的実体的事実に近い方が理想かも知れないが、それはそれだけの
こと。
刑事の方が民事よりは重要視するが、それとて程度論
(だから、「推定無罪」の原則によって「間違っても無罪の人間を罰しな
い」という方向のフェイルセーフが働くようにしてある……のだけど、ま
あ建て前と本音の食い違いはある。)。
>裁判ってのは真実を求める場ではなく,誰が実権を握っているか,誰が金や権
>力を持っているか,誰がウソつくのがうまいのか,誰が言葉巧みに陥れるのか
>を争う場のような気がします.
半分は正解です。
裁判は「真実を求める場」ではありません。
まったくその通り。
しかし、たとえ「実権を握っていようが金や権力を持っていよう(実権を握っ
ているというのと同じじゃねぇの?)が嘘を付くのが上手かろうが言葉巧みに
陥れることができようが(嘘を付くのが上手いのと同じじゃねぇの?)」、法
律的に間違った主張は(厳密には裁判所の法律解釈に反する主張は)負けます
し、立証が不充分なら負けます(上記「」内の要素は立証において事実上有利
となることはある。)。
つまり、「常に正しくはないし、可能性で言えば五分五分程度」という点で
「誤り」です
(例えば名誉毀損訴訟で本人訴訟勝率7割の三浦和義氏などは、当時収監中
で、マスメディアと比べて「金と権力」があるとはとても言えないし、訴訟
のプロである弁護士と比べて「嘘を付くのが上手かった」というわけでもな
いでしょう。)。
要するに、「気のせい」です。
# 多分アメリカの陪審員制についての映画・ドラマでの特に最終弁論での芝居
がかった演説が結果に影響するという設定に毒されているだけだと思うけど
ね。
日本の裁判というものは、どうもイメージ(それもマスメディアとかドラマ
とかが作った偏ったもの)だけで語られることが多い気がするんだけど。
--
SUZUKI Wataru
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