河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

In article <080920091948.M0127619@nanyanen.lbm.go.jp>, toda@lbm.go.jp writes
> >とまれ、物理量ではないものが物理空間を伝播するなどということ
> >は在り得ない筈である。
> でも良いけど、これってeurms氏が何の根拠も無く持込んだ命題だし、
> 明らかに誤りだよね。
> 「物理量ではない仮想的な存在」だからといって
> それが「物理空間を伝播」できないなんて理由は何ひとつ無い。

一つの解釈としては、伝搬を観測できなければいけないわけだから、
伝搬するものは、少なくとも観測量でないとだめだってなことかな。

> 波動函数にせよ、そこから算出した確率密度にせよ、
> 物理量の挙動を説明する手段であることは確か ...
> なんだから、
> 関連している物理量と「一緒に伝播する」のは当然のことだよね。

波動関数の伝搬ってのは、特定の表示を採用した時の基底の数学
的な表現でしかない。それは、物理的な伝搬のイメージ、あるい
は、粒子や波の伝搬とは、まったく独立です。だって、単なる座
標系の基底に過ぎないんだから。任意に選んで良いわけですよね。
実際、ハイゼンベルグ表示では、波動関数は動的に変化しないの
で、数学の形式的にも伝搬になってないし。

たまたま、観測したい物理現象と同じ伝搬形式を持つ基底を使う
と問題がうまく解ける場合がある、というわけでしょう。便利な
基底を求めるのに、境界条件を使ったりするので、なんとなく、
波動関数自体が物理的な実体のような気がしますが、錯覚です。

---
Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科