微分積分を避けることの是非
河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
In article <3F597C82.309B22AB@ht.sakura.ne.jp>, IIJIMA Hiromitsu <delmonta@ht.sakura.ne.jp> writes
> > 微分積分を避けるのは、僕は、害があるだけだと思っているので。
> > 単なる自説ですけど。
> 大学の理論数学のレベルは脇に置いて、大学入試の数学のレベルだと、積分の計
> 算は解法の暗記だけで比較的高得点が取れる分野なので、論理的思考力とか数学
> のセンスとかを測るテストとしてはあんまり多用したくないように思います。
どっかで誰かと議論したんだけど、
構文的な置き換えとしての代数的な微分積分
と、
数値解法的な求積法、速度測定的な手法としての微分積分
の二つがあるんですよね。この二つが合わせて一つであることを理
解するのが重要なんだと思う。
で、それと、
幾何学の持つ構造 ( = 時空間の構造) を理解すること
物理法則を理解すること( = ニュートン力学)
は、密接に結び付いています。
微分積分を理解することは目標にされがちだけど、本当は、微分積
分は道具であって、目標は幾何学や物理法則にあるはず。なので、
微分積分を避けると言うことは、目標を避けることになってしまう
ので、本末転倒なんだと思う。
> #それでも私は、一般教養の電磁気学で挫折しました……div とか rot とかの
> #イメージがわかないので。grad はすぐにわかるんですけどね。
それは、もったいない。流体力学的な直観が働く理解しやすいとこ
ろなのに。排水口がdivで、渦巻がrotだと思えばすごく良くわかる
のに。
> > 積分の存在とかの方が、距離の下限の存在
> > みたいなものを仮定するよりも基本的な気がする。
> 理論家の立場からはそういう発想になるんでしょうね。
> ただ、大学に入る人間が全員理論家になるわけでもないわけで。
これは、ちょっと裏があって、微分積分の存在を仮定すると、結構
問題が簡単になるんです。なので、きっと、数学者はそれはずるい
と言うことであろう。それを仮定しなくても使える定義とかが重要
とかいうんだよな。
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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus,
PRESTO, Japan Science and Technology Corporation
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科,
科学技術振興事業団さきがけ研究21(機能と構成)
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