himtkitk wrote:
> それと一応、国家も自由主義 & 民主主義国家に限定してます。

そこまで絞ってもまだ、「国益」については国によって意味合いが異なるのでは?

たとえばアメリカにはかなりはっきりとした「国益」があり、国際社会でのアメ
リカが自国の国益にそって行動していると傍目にもわかるのに対して、日本の場
合は何が国益なのかはっきりしません。その分、なんでも「国益」であると主張
しうるわけですが、反面、その外交政策は見る人の見方や立場によって「国益に
適っている」とも「適っていない」ともいかようにも見ることができるわけです。

だから、

> 私は、国益って言葉は問答無用に思考停止させる政治家にとっての便利な言葉と
> 思っとります。

むしろ、「国益」は日本の政治家には、利用はしやすくとも効果が薄い道具なん
じゃないかという気がします。少なくともアメリカの政治家にとっての「国益」
と比べると利用価値の低い言葉です。

> で、その言葉を聞いた途端に、国益ってなんじゃらほいと反応する訳だけど、

そもそも日本には、こういう人がけっこういるわけで、「そうでない人」につい
ては、

> そうでない人も居るようだから、、、

この程度しかいないらしい:-) これじゃ国益について語るのを時間の無駄とと
らえる政治家がでてきてもおかしくない。


> 私は『公共の福祉に反しない』って以上の義務も制約も無いと思っとります。

「国益」そのものが「公共の福祉」であるという認識が、そもそも日本の有権者
には希薄なんですね。

おそらくそういう意識はアメリカの有権者の方が強く持っていると思います。そ
して、アメリカの場合その「国益」はつねに「正義」に後押しされているわけで
す。だからこそアメリカでは「国益のために存在する(した)軍人」を政治家が
悪く言うことはほとんど不可能だし、「正義」のためだと言われるとその政策を
ついみんな支持してしまう。

そういう単純で「健康」な国益意識は、もう日本にはありません。そこは敗戦国
だからなのかもしれませんが、今では「国益」という言葉は日本人にとってはど
こか上っ面で、浮世離れしていて、自分の生活とは直接関係の無いものなわけで
す。「自分の生活と関係の無い国益」なんてのはそもそもありえないはずなんで
すが、「国益は公共の福祉に反しないものであるべし」とか言う発想が出てくる
こと自体、国益を「自分の生活を邪魔するもの」だと考えているフシがあるわけ
です。こんな調子じゃ国益に関する議論がどこにも行き着かないのも不思議じゃ
ありません。

萩原@グリフィス大学