竹宮小夜子 wrote:
> 私がテロリストの立場で考えてみる:

「テロリスト」にもいろんな「立場」があると思った方がいいでしょうね。決し
て一枚岩の組織ではありません。

> イラクに軍隊をおいている国は35もある。だから、テロリストが撤退した国を狙って
> いては、どの国も撤退できなくなり、テロリストにとっては敵の数が減らない。

反米を主目的としたテロリストだと当面そう考えるかもしれません。
ただし、アメリカの同盟国として名が通っている国に関しては、たとえ軍を撤退
させた後でも対米関係上使い道があります。

ただ、イラクには反米目的の連中に加えて、いわゆる攘夷主義で外国人嫌いとい
う一派もいるし、対イスラエルをにらんだ国際戦略を持つグループもありますか
ら、それらの考えていることは一様ではありません。


> だということで、撤退したスペインには手を出さないことにしよう。

ところで、この戦争に限ってなんでスペインが出てきたかというあたりが興味を
引きますね。イギリス、スペインともにイラクでのアメリカの対テロ戦争に真っ
先に荷担したわけですが、両国ともに、国内にイスラム教とは無関係のテロ組織
を抱えています。北アイルランドのシン・フェインはカトリック教徒だし、スペ
インのETAは民族組織ですですが、不思議なことにこの両組織とも、イギリス、
スペインがアメリカの対テロ戦争に荷担する少し前からなりをひそめています。
シン・フェインのほうは、イギリス政府と政治的和解をしていますし、ETA得
意の爆弾テロも、イラク戦争開始前のころからぱったりと止んでいます。そんな
矢先に起きたスペインの列車爆破テロの際、スペイン政府が必死にそれをETA
の犯行にしようとしたあたりもなんとなくひっかかります。

アメリカがイギリス・スペインを巻き込むために両国のテロ組織の存在をカード
に使ったのかもしれませんし、逆に、戦争がらみの石油利権を手にするために両
国が自国のテロ組織とウラとオモテでなんらかの手打ちをしたのかもしれません
し……。

人質事件なんか、そういうのに比べると、何か別の目的を達成するための世論操
作の手段みたいなものかもしれません。

萩原@グリフィス大学