工繊大の塚本です.

In article <kbqthc$uag$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 兎に角,Lebesgue測度は実数空間でしか定義されないのですね。

「実数空間」などという用語はありません.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100063__00.jpg
> と訂正致しましたがこれなら全てのケースで適用可能かと思いますが如何でしょうか?

 C^n の部分集合 I の Real part とか Imagenary part とかが何で,
それが R^n の Borel 集合であることが何を導くのか,
 I 上の複素数値関数による I の像の Real part とか Imagenary part とかが
 R の Borel 集合であることだけで何が言えるのか,
その像という R の Borel 集合が L^1 であるとは一体何か,
本当に何を主張しようとしているのか, 分かっているのですか.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__08.jpg
> でいいのですね。

はい.

> In article <121203210236.M0227377@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 従って, 複素数平面上の有理形関数として
> > \zeta(s) \Gamma(s) - \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))
> > と 
> > \int_1^\infty u^{s-1} \exp(-u)/(1 - \exp(-u)) du
> > とは一致します.
> 
> 有理形関数としてなら確かに一致しますね(∵一致の定理)。

これが分かっていて,
 
> > このとき
> > \int_1^\infty u^{s-1} \exp(-u)/(1 - \exp(-u)) du
> > は s = 1, 0, -1, -3, \dots でも正則ですから,
> > 有理形関数
> > \zeta(s) \Gamma(s) - \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))
> > について, s = 1, 0, -1, -3, \dots は除去可能な特異点であり,
> > s = 1, 0, -1, -3, \dots でも正則であると考えて良いことになります.
> 
> これは分かりましたが,

これが分かって,

>  s = 1, 0, -1, -3,…が除去可能な特異点である事は
> どうすれば確かめられるのでしょうか?

これを質問しますか.

有理形関数の高々極である点での Laurent 級数展開は
その点の近傍からその点を除いたところでの関数の積分から定まります.
従って, 両者がその点の近傍からその点を除いたところで一致しているなら,
 Laurent 級数展開も一致します.
一方がその点で正則で, Laurent 級数展開の負ベキの部分を持たないなら,
もう一方の Laurent 級数展開も負ベキの部分を持たず,
従って, その点は除去可能な特異点です.

> lim_{s→1}[ζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))]
> =∫_1^∞exp(-u)u^{1-1}/(1-exp(-u))du 
> 
> lim_{s→0}[ζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))]
> =∫_1^∞exp(-u)u^{0-1}/(1-exp(-u))du 
> 
> lim_{s→-1}[ζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))]
> =∫_1^∞exp(-u)u^{-1-1}/(1-exp(-u))du 
> 
> : 
> 
> となる事はどうすれば示せるのでしょうか?

正則な点では連続ですから当たり前です.
計算して示すことではない.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop211_45__09.pdf
> と晴れて解決できました!

 [Prop211.45] の (i) の証明の最初の所から間違っています.
 \sum_{n=1}^\infty と \int_1^\infty の順序については
あれほど何度も注意した筈であるのに, 結局直りませんね.
 (ii) の証明も途中までは注意した通りになりましたが,
 \exp(- \pi x ) を < 1 として消したのでは,
積分の収束が出て来ません.
 \int_1^\infty x^a \exp(\pi x) dx は任意の a について
正の無限大に発散しますよ.
 \int_1^\infty x^a \exp(- \pi x) dx が任意の a について
収束することを使うのです.

 <http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100065__00.pdf>
について,

> > 証明は出鱈目ですね.

と述べたわけで,

> これは失礼致しました。
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100065__00.jpg
> と訂正致しました。

と同じものを示されても困ります.

> これなら如何でしょうか?

今, 示したいのは, Lebesgue の定理の離散極限版から
連続極限版が導かれること, ではなかったのですか.
連続極限が存在するとき, 離散極限も存在することは
# 貴方の証明はどうも的外れであるにせよ,
簡単なこととして認めても良いですが,
ここで問われているのは, 任意の離散列についての
極限が存在するのであれば, 連続極限も存在する,
ということの「論理」が分かっているのか, ということです.

そのことは, 既に

> > そこに書かれている [Prop192.1000645] は
> > \lim_{s \to s_0} f(s) が存在するなら,
> > 任意の数列 a_n で \lim_{n \to \infty } a_n = s_0 となるものについて
> > \lim_{n \to \infty} f(a_n) = \lim_{s \to s_0} f(s)
> > が成立するという, 自明のことだけです.
> > 上に私が書いたものの「逆に」以下の部分が大事なのです.
> > 「逆に」以下の部分の証明を先ず調べた上で,
> > Lebesgue の定理の連続極限版の成立を示しなさい.

と注意をしておきました.

> つまり,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_1000635__00.jpg

 S を分かり難いものにしたせいで,
勝手に転んでいるように見えます.
 \lim_{s \to s_0} f(s, x) = \ell であることの否定が何か, 
ということの「理解」にも問題があるようです.
この中では好意的に解釈すれば間違いはありませんが,

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_1000635__01.jpg

で「 \delta に対してある n をとれば \delta > 1/n となる」
という論理を使うのでは, 分かっていない, と判断せざるを得ません.
「 1/n を \delta とするとき」という議論になる筈です.

> のように同値が言える事を示さねば,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100064__02.jpg
> から
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100065__01.jpg
> が言えないのですね。

そういうことです. だから, ちゃんと証明して下さい.

> ちょっとLebesgueの定理について相当混乱しております。
> 以前に
> 「>> えっ!? 複素数上のLebesgue測度というのも存在するのでしょうか?
> > 複素数平面 C を R^2 と同一視するだけの話です.」
> と仰った事を考え直して
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__02.pdf
> と猛訂正したのですが如何でしょうか?

複素数平面の Borel 集合 I は
実数直線の Borel 集合 Re I, Im I の直積になる
わけではありませんよ.

有界閉集合上での一様収束極限に関する定理は
 Lebesgue の定理を使わない場合の話です.
 Lebesgue の定理を使うのであれば, 優関数を使えば宜しい.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__06.jpg
> という風に勝手にg(x)の存在を仮定してしまっておりましたが

 Lebesgue の定理は, そのような g(x) が存在すれば,
積分と極限の順序交換が可能であることを保証するものです.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__09.jpg
> という風にφ(x,h)の優関数を探さねば成らないのでしたね。
> うーん,結局,φ(x,h)が一様収束になる事はどうすればわかるのでしょうか?
> そしてそれからどうやって優級数を見つけるのでしょうか?

 \phi(x, h) が一様収束することは示す必要ありません.
 |\phi(x, h)| < g(x) となる g(x) は, 場合に応じて,
探すことになります. 有限増分不等式が役に立つこともあります.

で, counter example のグラフは書けましたか.
-- 
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp