工繊大の塚本です.

In article <e5442653-48f5-44ec-a767-ec9766034eb2@z1g2000yqn.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> リーマン積分での広義積分の定義に似てますね。
> キチンと書けばf=∞の場合,
> ∫_X fdμ:=sup{∫_X gdμ;0≦g≦f,∫_X gdμ<∞},
> μ(supp(f))=∞の場合,
> ∫_X fdμ:=sup{∫_X gdμ;0≦μ(supp(g))≦μ(supp(f)),μ(supp(f))<∞}.
> と定義するのですね。

きちんと書けば,

  ∫_X f dμ
   := sup { ∫_X g dμ | g は有界で, μ(supp(g)) < ∞, 0 ≦ g ≦ f を
                         満たす可積分関数 }
                        
となりますが, それは

  ∫_X f dμ
   := sup { ∫_X g dμ | g は有界で, μ(supp(g)) < ∞, 0 ≦ g ≦ f を
                         満たす単関数 }

としても同じことです.

> gは②でのfに相当するわけですね。
> このgの呼び名はあるのでしょうか?
> そして,積分値は有限でfへの単調増加族{g}
> (gの添数はではないでしょうから列ではなく族とでも言いましょうか)
> が必ず採れるのですね。
> (ちょっと本で見つけれないもので)

この定義で ∫_X f dμ < ∞ となる f については,
 g_n ≦ f となる, 有界で μ(supp(g)) < ∞ な正値単関数 g_n で
 L^1 の意味で f に収束するものが取れますから,
その部分列で f に概収束するものが取れます.
それは単調増加にも取れます.

一般の f について, f に概収束する上のような g_n を作れ,
といわれると困るかも知れません. X が σ-有限であれば,
 f に収束する上のような g_n は簡単に作れます.

少し勘違いしていましたが, これが σ-有限性の使い方の
一つです. 後, σ-有限でないと, 完全加法的な有限加法的
測度の測度への拡張は一意でないかも知れないとか,
 Radon-Nikodym の定理は成立しないかも知れない,
といったところでしょうか.

> これ「④ f arbitrary ∫|f|dμ<∞, f^+(x)=max{f(x),0}≧0.
> f^-(x)min{-f(x),0}≧0 」は正しくは
> 「④ f arbitrary ∫|f|dμ<∞, f^+(x)=max{f(x),0}≧0.
> f^-(x)=max{-f(x),0}≧0」でしょうか?

当然そうですね.
-- 
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp