Re: EがCaratheodory可測⇔EはLebesgue可測
工繊大の塚本です.
In article <966a42f7-000b-464c-9703-6a44fdd1c94d@x16g2000prn.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> T={Π_{i=1}^d [n_i,n_i+1);n_1,n_2,…,n_d∈Z}は位相になってますから
> σ(T)がBorel集合体になっているのですね。
別に位相になってはいませんが, 普通の R^d の
位相について Borel 集合であることは明らかです.
> {A⊂R^d;AはLebesgue可測}はσ集合体をなし,
> この集合はT(TはR^dの通常の位相)を含む。
> Borel集合体も定義からTを含み,σ集合体に関しての最小性から
> (Borel集合体)⊂{A⊂R^d;AはLebesgue可測}の関係になる。
> 従って,Borel集合はLebesgue可測が言え,
貴方のお読みになっている本ではそういった筋で
ことが証明されているようですね.
> Borel集合はm^*に関してCaratheodory可測。
> と言えるのですね。
Lebesgue 可測集合は, Lebesgue 外測度に関して
Caratheodory 可測, が証明されればそういうこと
になります.
一方, Lebesgue 外測度について Caratheodory 可測
な集合全体が Borel 集合を含むことを,
Lebesgue 可測集合の話とは関係なく証明すること
も出来ます.
> これはBorel集合体は位相で生成されるσ集合体なので位相のとり方によっては
> Borel集合はLebesgue可測集合とはならない場合 があるわけですね。
それはそうです. もっとも, Lebesuge 可測集合の話を
するときには, 当然, R^d の普通の位相に関しての
Borel 集合を考えるわけです.
> すいません。再度読返したのですが,Borel集合がm^*に関して
> Caratheodory可測である理由を何処で仰っているか分かりませんでした。
> どこで仰ったのでしょうか?
事実として述べただけで, 理由は述べていません.
証明は Lebesgue 可測性を, Caratheodory の構成で
示している教科書を御覧下さい.
閉集合が Lebesgue 外測度に付いて Caratheodory 可測
であることを示して, それから生成される σ集合体も
そうなることを示すことになります.
> > 任意の ε > 0 について, E ∩ B_n ⊂ U_n となる開集合 U_n で
> > m^*(U_n\B_n) < ε/2^n, m^*(U_n\(E ∩ B_n)) < ε/2^n と
> > なるものを取れば, U = ∪_{n=1}^∞ U_n について,
>
> ここは命題"∀A⊂R^d,0<∀ε∈R, A⊂∃U∈T;m^*(A)≦m^*(U)<m^*(A)+ε"を
> 使われたのでしょうが
> E∩B_n⊂B_nの関係になってますよね。なので任意のεに対して,
> 同じUが取れるとは限らないのではないでしょうか?
ですから E∩B_n それぞれについて U_n を選んでいます.
U = ∪_{n=1}^∞ U_n は, 勿論, ε > 0 に対して
決まるものです.
宜しいでしょうか.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735