Re: f:V(+)V(×)V*→Fをf((v+v')(×)g)=g(v)+g(v')で定義する.fが線形写像である事を示せ
工繊大の塚本です.
In article <73d5ed48-0ea9-40bd-a7ae-7bdacb65e169@v5g2000prm.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 取り合えず,T⊂KerΨだったので命題2でf(u(×)v):=Ψ(u,v)なる
> 線形写像∃f:U(×)V→Wが存在する。
> そこで題意で掲げられた写像f(v+v'(×)g)=g(v)+g(v')が
> 本当にこの命題2のfになっているかが疑問だったのです。
先ず, 最初に申し上げました通り, 問題の書き方が
間違っています.
> もしかしたら題意のf(v+v'(×)g)=g(v)+g(v')で定義された写像fは
> 非線形な写像かもしれません。
そもそも f((v, v')(×)g) = g(v) + g(v') だけでは
写像 f: (V(+)V)(×)(V^*) → F が定義されている
とは言えません. (V(+)V)(×)(V^*) の元には
(v, v')(×)g の形をしていないものもいくらもある
のに, この形以外の元に対する像をどうするか, が
定められていないからです.
ですから, 問題は, (v, v')(×)g に対しては
f((v, v')(×)g) = g(v) + g(v') となる写像で
線形なものがあるか, 或いは,
線形写像 f: (V(+)V)(×)(V^*) → F で
f((v, v')(×)g) = g(v) + g(v') となるものが
あるか, と書き換えないと意味がないのです.
> それでこの題意のfが線形かどうか"確かめ"てみたかったのです。
だから, それは無意味です.
> 題意の写像fは文章を読むとf([Σ_{i=1}^n c_i ((v_i+v'_i), g_i)])に対しては
> 定義されてませんよね。
その通り. だから自分で定義を与えて線形写像 f を作り,
それが f((v, v')(×)g) = g(v) + g(v') を満たしている
ことを示さないといけません.
> 飽くまでv+v'(×)gという形の元に対して定義されているのですよね。
それについて f((v, v')(×)g) = g(v) + g(v') と定めたものが
(V(+)V)(×)(V^*) 全体に線形写像として拡張できることを示す
ことになります.
> それで素直にf((v+v'(×)g)+(u+u'(×)h))=f(v+v'(×)g)+f(u+u'(×)h)と
> f((a(v+v'(×)g))=af((v+v'(×)g)が成立するか確かめたかったのです。
(V(+)V)(×)(V^*) の元はもっと沢山の項の和の形を
していますから, それでは十分ではないです.
> それでf([Σ_{i=1}^n c_i ((v_i+v'_i), g_i)])については
> 像がどのようになるか(fは線形かもまだ分かっていないので)
> は定義されてません。
だから, それを自分で与えないといけません.
> それで[Σ_{i=1}^n c_i ((v_i+v'_i), g_i)]はV(+)V(×)V^*の元と
> という事だけは分かっているので
> [Σ_{i=1}^n c_i (u_i, v_i)]=[v+v',g]なるv,v'∈V,g∈V^*が存在するはずである。
それは大きな誤解です. (V(+)V)(×)(V^*) の元は,
単項の (v, v')(×)g の形のものだけではなく,
[Σ_{i=1}^n c_i ((v_i, v'_i), g_i)]
= Σ_{i=1}^n c_i (v_i, v'_i)(×)g_i
の形を一般にしています.
> そこで初めてf([Σ_{i=1}^n c_i (u_i, v_i)])
> =f([v+v',g])=g(v)+g(v')と計算できる。
そうはできないので, f の定義を拡張しておかなければ
いけないわけです.
> しかし,f((v+v'(×)g)+(u+u'(×)h))=f(v+v'(×)g)+f(u+u'(×)h)が
> 成り立つ事の証明に頓挫してしまっています。
そうなるように f が定義できることを示しなさい, という
問題であると読み替えないといけません.
> 題意のfは命題2のfという保証は無いので,
しかし, 命題2の f は問題の条件式,
f((v, v')(×)g) = g(v) + g(v')
を満たしています. それで問題は解決です.
> f((v+v'(×)g)+(u+u'(×)h))=f((w+w'(×)k)=k(w)+k(w')という風にしか
> 計算できず,これから
> =f(v+v'(×)g)+f(u+u'(×)h)にもっていけません。
そのような計算ができるわけがありません.
> どこを勘違いしてますでしょうか?
最大の勘違いは, 一般にテンソル積 U(×)V がどんな
元の集まりであるか, についてだと思います. もう一度
お考え直し下さい.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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