Re: 連結空間の族の直積空間が連結であること
工繊大の塚本です.
In article <47441566-0f57-4f49-ab11-a654864cdb4b@w1g2000prk.googlegroups.com>
cchikakoo <cchikakoo@yahoo.co.jp> writes:
> 仕切りなおします。
やはり大分混乱されているようです.
> K={{x_α}∈2^X;∀α∈J,x_α∈X_α,∀α∈J\K,x_α=a_α}と書ける。その時
先にも書いたように,
X_K = { (x_α) ∈ Π_{α∈J} X_α ; ∀α∈J\K, x_α = a_α}
ですね.
> X_K=X_1×X_2×…×X_n×{a_α1}×{a_α2}×… という具合に書ける。
> (実際,X_Kは可算とは限りませんが).
> そこでA_α:={a_α} (for∀α∈J\K)と定義できる(∵axiom of choice)。
ここには選択公理は関係しません. 定義は分かりました.
> そしてT_kをX_Kの位相(T_k:={X_K∩t∈2^X;t∈T(但しTはXの位相)})とすると,
> φ≠A,B∈T_k, A∪B=X_K …①において
> 先ず,φ≠∀A_α,B_α∈T_α(:はX_αの位相)を採ると
この A_α, B_α が A, B とどういう関係にあるのか, が
書かれていないのが問題なのです. (後を見て分かりましたが.)
> A_α∪B_α=X_α,A_α∩B_α≠φ(for ∀α∈K)で
> ∀α∈J\KでさえもT_α={φ,{a_α}}なので,A_α=B_α={a_α}と採れば
> φ≠∀A_α,B_α∈T_α,A_α∪B_α=X_α,A_α∩B_α≠φ(for ∀α∈J)と
> 言えた事になり,
> T_k=Π[α∈K:有限集合]T_α×Π[α∈J\K]{φ,{a_α}}なので
> ①においてA∩B≠φが言えた事になりよってX_Kは連結。
つまり, A = Π_{α∈J} A_α, B = Π_{α∈J} B_α だと
おっしゃっているようですが, 位相 T_K の 開基であれば
そのような記述を採用できますが, T_K の元はそのような
形をしたものばかりではありません.
> ※もしKが無限集合ならX_Kの位相(直積位相)T_kは
> 単に各T_α(α∈K)の直積として表せませんよね。
K が有限集合でもそうです.
例えば実数 R を普通の位相での位相空間と考えての
直積空間 R^2 については, その開基としては
(a, b)×(c, d) の形のものだけを考えればよいわけですが,
その開集合は U_1×U_2 といった形のものだけでなく,
{ (x, y) ∈ R^2 ; x^2 + y^2 < 1 } のようなものもあります.
ここで A, B がどんな形のものであるかは, A ∪ B = X_K,
A ∩ B = φ, という条件から考えていかなければなりません.
それで, 先ず, X_1×X_2 の場合はどうか, について考えて
見ることをお勧めしました.
> すいません。大幅訂正させていただきます。
> 今,Yが非連結とするとφ≠∃A,B∈T_y…③;Y=A∪B,A∩B=φ…④と言える。
> X_K=(A∩X_K)∪(B∩X_K)…⑤でA∩X_K≠φ…⑥である
> (∵もし,A∩X_K=φなら,a_(α_0)はAに含まれないα_0∈J\Kが存在する。
「 a_{α_0} ∈ X_{α_0} が A に含まれない」というのは
意味がない文です. 単に A ∩ X_K = φ という仮定から
「全ての x = (x_α) ∈ A について, x_{α_0} ≠ a_{α_0}
となる α_0 ∈ J\K が存在する」というのは間違いです.
> 今,X_KとAは直積集合の形をしているので
> X_K=X_1×X_2×…×X_n×{a_n+1}×{a_n+2}×…,
> A=A_1×A_2×…×A_n×{a_n+1}×{a_n+2}×…×{a_(α_0-1)}×φ×{a_(α_0+1)}×
> (A_1,A_2,…,A_n⊂X_i(i=1,2,…,n))という風に書ける。
> よって直積集合の定義より,A=φ.これは③に矛盾する)
> 同様に,B∩X_K≠φ…⑦も言える。
> よって③,④,⑤,⑥,⑦よりX_kが連結である事に反する。
> よってYは連結である。
>
> で大丈夫でしょうか?
A, B は直積集合の形をしているとは限りません.
a ∈ X_K であることを使えば, 実は簡単です.
A, B は開, Y = A ∪ B, A ∩ B = φ とします.
a ∈ Y = A ∪ B ですから, a ∈ A ≠φ としましょう.
A_K = X_K ∩ A, B_K = X_K ∩ B とすると
A_K, B_K は X_K の開集合であり,
X_K = A_K ∪ B_K, A_K ∩ B_K = φ で,
a ∈ A_K より A_K ≠φ ですから, B_K = φ.
B = Y ∩ B = (∪ X_K) ∩ B = ∪ (X_K ∩ B) = ∪ B_K = φ.
これが示すべきことでした.
> でこれからXが連結と結論付けられるのは何故なのでしょうか?
それが示すべきことの残り半分であるわけです.
X = Cl(Y), Y が連結であるとしましょう.
A, B を X の開集合, X = A ∪ B, A ∩ B = φ
とします. A' = Y ∩ A, B' = Y ∩ B とすれば,
A', B' は Y の開集合で, Y = A' ∪ B', A' ∩ B' = φ.
Y 連結より, A', B' のどちらかは空集合です.
B' = φ としましょう. つまり, Y ∩ B = φ ですが,
B は開集合ですから, Cl(Y) ∩ B = φ でもあります.
よって B = X ∩ B = Cl(Y) ∩ B = φ.
これが示すべきことでした.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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