kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) writes:
>
> ちなみに上限じゃなくて下限だよね? どっかでなんか計量とか可積
> 分の仮定はいれなきゃならんので、下限みたいな定義よりも積分で
> 定義する方が整合性があるだろうと想像します。

いえいえ、上限ですよ。河野さんは

(1) 2点間の距離が定義済のEuclid空間において、曲線の長さを定義する問題 と
(2) C^1 曲線の長さが定義済のRiemann空間において、2点間の距離を定義する問題

を混同しているのでは? 

(1)は折線の長さの上限だし、(2)は2点間を結ぶ曲線の長さの下限ですね。
(2)の前提となる曲線の長さは、Riemann計量と積分で定義するけれど、
それは(1)の結果を模範としています。



なお今回の出題に関して言うと、弧長と積分の関係についての大学レベル
の話なんぞは要求されていないと思います。単に 

(a) f(x)=√(1-x^2) から ∫_{x=0}^{x=1/2} √(1+f'(x)^2) dx を計算
   すると、グラフの弧長  π/6 になる。
(b) f(x)≧1+(1/2)x^2 を証明。
(c) ∫_{x=0}^{x=1/2}( 1+(1/2)x^2 )dx = (1/6)( 3 + 1/8 )
(d) よって π/6 > (1/6)( 3 + 1/8 ) だ。

で充分でしょう。

ちょっと整合性にこだわるなら、(a)では、cos, sin の微分積分には
全く触れず、(つまり x=sin(t) などと置換して計算するのではなく)、
積分が弧長の計算であり、円周率の定義から π/6 であると述べるべき
でしょう。 cos, sin の微分積分には、

lim_{t→0}(sin(t)/t) = 1 

などという、これまた教科書には循環論法による説明しか載っていない
公式が必要なので。

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****  佐藤達也  ****