W(double) #23
真木子です。
今回の『ゴセイジャー』、太陽フレアってあんな燃え方しないぞ、ってのはお
いとくとしても。
200年に一度クラスのフレアが起きたら、地上も含めていろいろと影響が出る
ので、地球と人間を護るならそこも配慮してほしいです:-)
ま、現実の太陽は、極小期が長引いて、まだやや低調。2月上旬にはMクラスフ
レアもあったけど、16日以来はずっとフレアなし。
第23話「唇にLを/シンガーソングライダー」
○鳴海探偵事務所
飛び込んできたクイーンとエリザベスが仕事の依頼。
『フーティックアイドル』。視聴者参加型の歌謡番組で、三週勝ち残れば無条
件でCDデビューできる。二人は三週目までいった。
歌うは「Love Wars」。手応えあったと思ったが……
「クズだね、クズ」TAKUYA
「あなたたちレベルはね、掃いて捨てるほどいる、クズよ」上木彩矢
「その程度のシャウトで、人の心は揺さぶれない、ぜーっ!!」水木一郎……
じゃなくて大貫一朗太(なんでや)
そういうコメントが売りの番組ではあるが、二人に勝った挑戦者のジミー中田
は超ど下手。審査に不正があったことを暴いてほしいという。
ジミーの方がうまかっただけではと疑問を呈すと、
「じゃあ一度聞いてみなよ。死ぬから」「死ぬから」
○広場
ギターを抱えた兄ちゃん、ジミー中田。
けっこうイケメンと喜ぶ亜樹子。その後ろに、花束を抱えたメガネ姐さんが。
ジミーが歌い始めようとすると、近くで色紙を売っていたおっちゃんや名調子
の南京玉すだれおばちゃんが耳をふさぎ、店はシャッターを下ろし、人々は逃
げまどう。
「くるくるくるくる君がくるーっ」調子外れなうえに、歌詞も頭痛がしそう。
メガネさんだけは嬉しそうだが、物は倒れ、鳥は落下し、翔太郎たちも体調不
良に。
○オープニング
『フーティックアイドル』のスタジオで上木彩矢とTAKUYAが歌う趣向。
○ジミーに接触する翔太郎たち
本名、中田次郎。19歳。
「ちょっと訊きたいんだが、今の音楽は何なんだ。ジャンルがまるでわからん」
「スピックです(^^)」
Spinning to Falk の略で、フォークをベースに、ロックやラップなどの高揚
感をブレンドしているという。
「センスが古い人には理解しづらいんですね」
「なに?」
「ジミー君の言うとおりよ!」割り込むメガネさん。「ロックだって何だって、
最初は理解されなかったわ。ジミー君の音楽を聴くなら、もっと勉強して」
手作りのパンフレットを渡す。
「いつもありがとう;-)」「ジミー君*^^* これ受け取って」
《この野郎、どうも見ててイライラすると思ったぜ。なんか、俺に似てやがる》
自覚はあるのね:-)
○園咲邸
いそいそと出かける冴子は、Wのメモリの持ち主と会うもよう。
「ずいぶん、魅力のある人物のようだねえ」
「私はあまりお近づきにはなりたくありませんけど」
「新しい恋かぁ。ふん、ずいぶん早いな」
一方、若菜は『フーティックアイドル』を観るためにテレビに張り付き、お父
さん溜息。
○テレビ局
ジミーの歌を審査員は絶賛。妙に冷静なDJハリー・ケーン曰く、
「おおっとなんてこったー。まさに妙技スピック! 理解不能の波に乗っちゃ
ってます」
しかし、正しく悶絶していた観客はブーイング。
捜査で舞台裏に来ている真倉と照井。
「やはり何かあるとしたら審査員だなあ」
「間近で見てみようか」
今日は飛び入り挑戦者バトル。指名されたのは、覆面で目元を隠し赤いスカー
フを振っていた、フィリップ。
「検索の通りだ。大貫一朗太は、会場右寄り、赤い装飾物の人間を高確率で指
名する。さあ、いくよ翔太郎!」
ちゃんと翔太郎の分のマスクも用意。
「僕たちは二人で一人の仮面シンガーだ!」
「な、なんだとお?!」
天井裏からスタジオを見下ろすドーパント、
「誰が来ても勝てないよ。ジミー中田は天才だ」
「“電波塔の道化師”とかいう悪党はおまえか」
御大に遠慮したか、今日は黒服の照井。アクセルに変身。
「君のカラオケの十八番は検索済みさ」
曲は『Finger on the Trigger』。ルナトリガーのテーマ曲ね。
客席が沸いているのを見て、ちょっと動揺するジミー君。
翔太郎のマスクが外れた。
○園咲邸
「あー、これあの探偵! てことは、こっちの子がフィリップ君?!」
○舞台裏
アクセルとドーパントが格闘。戦いはアクセルが優勢。
「わー、君強いなあ。ハートがフルフルするよ」
壁をぶち破って外へ。
「おまえのメモリは何だ。答えろ」
「ラブ。愛。愛の戦士だよ。そんな剣じゃ、傷つけられないぜ」
ドーパントは口から光球?に包まれた針を飛ばす。
試してみるかとエンジンメモリをセットし、Aの字を描いて、どかん!
「私のメモリがバラバラだ」と説明的なセリフが聞こえ、飛んできた針をアク
セルがはじくと、ドーパントは砕けたメモリを残して姿を消した。
○スタジオ
勝者はジミー。客席の真倉刑事をはじめ、みんなブーイング。
翔太郎は不正があるとジミーに指摘するが、相手にされない。
「みんな、ありがとう。これからも期待してくれ。僕のスピックに!」
物を投げつける観客。
○ガレージ
照井から、正体不明の詐欺師“電波塔の道化師”のことを聞く翔太郎たち。
審査員を操った方法は不明だが、どのみち二度とできないと、照井は証拠品の
メモリを見せる。
「それの、どこがメモリだ」
見直すと、すこんぶの箱。暗示をかけられたらしい。
怒る照井と、からかう翔太郎。
照井はフィリップに協力を依頼。翔太郎はジミーを捜しに。
「あのバカ、妙にほっとけねえんだよ。センスねえくせにカッコばっかつけや
がって」
「その言葉……言ってて自分に刺さんないの?」
○広場
サンタちゃんと落ち合う翔太郎と亜樹子だが、ジミーはいない。すると色紙を
売っていた詩人のおっちゃん、沢田さちおが声をかけてきた。
「あいつもさ、夢だけはでかくてなあ。でも無理だよなあ」
二人にくれた色紙は、「半人前でもいいじゃん」と「金無くたっていいじゃん」
しばらく固まる二人。
「あ、ジミーのファンの子いたろ。子っていうか、アラサーっぽい」
○不燃ごみ処理場?
働きすぎを同僚に心配されるメガネさんこと墨田ゆきほ。
「ほっといて!」と重いケースを運んで倉庫を出たものの、そこで倒れた。
門の外で様子をうかがっていた翔太郎と亜樹子が駆け込む。
○地球の本棚
道化師、針、暗示。他にキーワードは?
「掴みどころのない奴だったからな……。口の軽い、ふざけたドーパントだっ
た」
キーワードは“口”。
○井坂内科医院
ゆきほを診る井坂深紅郎医師。
「栄養剤と熟睡できるお薬を出しましょう」
「いいです。薬のお金も、寝てる暇もありませんから」
聞きつけて入ってくる翔太郎と亜樹子。体を壊しちゃ元も子もないと忠告する
が、ゆきほは無視。時計を見て飛び出していこうとする。
引き留めた翔太郎、「ジミーを合格させたのはあんたか?」
「言いがかりをつけるのはやめて。彼は、ジミー君は、天才なんだから!」
「そんな嘘ついて何になる。あいつのためになるとでも思ってるのか」
「うるさいわね! 彼のためじゃない、私のためよ。私は他に楽しいことがひ
とつもないの。私の人生に、ジミー君が必要なの!」
○倉庫
走ってきたゆきほ。しつこく追ってきた翔太郎。
ドーパントが現れた。
「お金を持ってきました! これで次もお願い!」
だが、ドーパントは差し出された札束をまき散らす。
「全然足りねえんだよ! そんな金額じゃ、こないだの二週目の合格だって足
りやしねえ」
すがりつくゆきほを締め上げる。
「契約は今日で破棄だ。人生舐めんなってことだ!」
「おまえこそ舐めんな!」
翔太郎がターザンごっこ(違)。亜樹子はゆきほを捕まえて避難。
「いいことを教えてやる。『私はおまえのご主人様だ』」
その言葉が書かれた吹き出しを飛ばすドーパント。翔太郎の寸前で針を止める
アクセル。
「くだらん嘘をつくのもたいがいにしろ。左、こいつのメモリの正体はライア
ーだ」
言葉の針を刺して、自分の嘘を信じさせる。審査員には、ジミーは最高だとい
う嘘を信じ込ませていたのだ。
ダブルに変身。アクセルも加わって格闘。
ルナトリガーの乱射で転がるドーパント。メモリブレイクで止めを刺そうとし
た時、ゆきほが割り込んだ。
「その人を倒さないで! その人を倒したら、ジミー君が合格できない!」
「こんな奴、とっとと倒して、ジミーにはまたちゃんと挑戦させればいい」
「無理に決まってるでしょ! どれだけ彼を見てると思ってるの? あの子は
……あの子は、信じられないぐらい才能がないんだから!」
近くに来ていたジミーが、呆然とギターを取り落とす。
○井坂内科医院
こうもり傘に山高帽で帰り支度をする井坂医師。
「今日の診察時間は終わりましたよ。園咲のお嬢さん」
「裏の診察はこれからでしょ? 井坂先生」
「……」
『ウェザー』やっぱり。
○倉庫
ジミーを呼んだのはライアー・ドーパント。納金遅れの罰だと言う。
「嘘だ……僕は自分の力で……そんなの嘘だ!」
「悪いなあ。嘘はおまえの合格の方なんだよ」
高笑いするライアー。
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★☆★ この世に正義がある限り、悪もなくなることはない:-) ★☆★
小路 真木子(SHOJI Makiko) shoji@kyoto-econ.ac.jp
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