イラクの国民議会は、幹部を除く、旧バ−ス党員の公職追放を解除する法案を可決したという。
 フセイン時代にイラクを牛耳っていたスンニ派中心のバ−ス党員は03年のイラク戦争以降、イラクでの公職から追放されていた。これは米英暫定染料当局(CPA)が行なったものである。
 そのために、旧軍人の一部が武装勢力に加担したりしたという。
 日本の敗戦後もGHQによって「公職追法令」が施行されたが、それほど長い期間ではなかったように記憶する。イラクではスンニ派によるシ−ア派、クルドへの弾圧がそれほど激しかったことによるものであろうが、追放解除までの期間が長過ぎた。それが素人行政を長引かせ、イラク統治がうまくゆかなかった一因となったのである。
 イラクの治安はよくなりつつあるといわれているがまだまだ分からない。
 イラク国民議会の課題としては、石油収入を民族、宗派に対して公平に分配する法とか、民兵の武装解除法などがあるが、順序としては「石油収入分配法」が先であろう。それが宗派間対立の元凶だからだ。
 村上新八