"Matsuyama" <3116790801@jcom.home.ne.jp> wrote in message
news:rFbTe.129$R62.35@news-virt.s-kddi1.home.ne.jp...
>  衆議院が解散され、9月11日に総選挙が行われます。
>
>  ところで、私はこの度の解散の正当性に疑問を持ちます。解散しても、「参議
院」はそのまま存続しています。
>  今回、内閣提出の法案を否決した議会は「参議院」であり、「衆議院」は可決し
ています。
>
>  「解散」という政治様式の淵源を考えれば、解散して民意を問うべき議会は「参
議院」ではないでしょうか。
> 解散させられた「衆議院」は内閣提出法案を可決しています。なぜ、衆議院が解散
されなければならないのでしょうか。

教養の薄い論者も中にはおられる(国民同様どんな愚か者でも口は
付着している)ようなので、この様な疑問を持つ方はむしろ立派であ
るとさえいえるのだが、この場を借りて、敢えて一筆啓上いたしま
しょう。

(1)まず、上記引用文の後段から。貴方は、「解散」という政治様式
の淵源をお考えになられたようですが、その「淵源」は貴方の中では
どのようなものになりましたか?此の点は「もの」を考える上で重要
な事だとわたくしは考える故に、やや詳しく申し上げたい。

「淵源」を尋ねるにしても、その淵源に従わなければならない制約は
一切無い。従うべきは日本国憲法のみ。もし、既成の「淵源」を貴方
が引用し踏まえられた途端に、その「淵源」は、

         <貴方の考えそのもの>

と化す。ここをまずもって注意されたし。その事が分らないと、貴方の
述べられる結論に誤り、もしくは不当だとの評価が下された途端に、
その責任を「淵源」のせいにする過ちを犯さないとも限らないから。実
は淵源の「解釈」にせよ、「解釈」とは一般にそういうものなのです。

さて、淵源に関する<貴方の考えそのもの>が如何なるものかは不
明ですが(貴方の中では明確になっておられるのかもしれないが)、そ
れを規準にする限り、今回は、解散して民意を問うべきは参議院だと
貴方はされているわけです。既、そこにも誤りが無いのかどうか、、、。
因みに、貴方が「淵源」とされるものに「議院内閣制」を挙げられるの
だとすれば、(ア)その議院内閣制の目的・趣旨・概念、(イ)日本国憲
法がそこで言う其れを採用していると見るべきかどうか、の少なくとも
二点には言及しなければならないでしょうね。

(2)次に、前段について。今回、内閣提出の法案を否決した議会(?)
は「参議院」であり、「衆議院」は可決している点を指摘されております
が、69条説に立つ限りは内閣は解散できなかったが7条説によった
ために解散する事ができたのではないでしょうか?ただそれだけの話
ような気がしますが、、。此の点を捉えて「正当性」に疑問をもつので
あれば立場としては分らないことではありません。

が、それでは、「的外れ」な解散であった、とする趣旨でしょうか?もし
そういう趣旨であるのならば、一向に問題ではないとお答えすることに
なります。憲法第59条国会法84条があるからです。衆議院での議決
通りにはすんなり行かない場合があることをもって2院制にする意義
があろうというもの。最終的には憲法59条第二項が決め手となる。此
れを確保するためには内閣の信を国民に問い衆議院を解散する事に
は十分の理由があると言うものです。ここでは、参議院議員のこころ
がそう簡単には変わるものか否かはどうでもよさそうな気がします。

--
太宰 真@URAWA