In article <dcctoq$fg4$1@news01.iij4u.or.jp> ishihara@y.email.ne.jp writes:
>>この「回転流体」というのは、地球と一緒に自転している流体という意味ですね?
>>でしたら、自転の遠心力の鉛直成分(地球動径方向)は重力に組み込むと思います。
>>水平(球面方向)成分は、温帯ぐらいだったら無視できるんじゃない?
>小倉義光「気象力学通論」を読み返してみたら、
>重力と遠心力の合力の方向に(見かけの重力?)gをとってる、
>つまりその方向を鉛直下向きと考える、みたい。
地球物理の一般的な語法として、
「重力」と「引力」は区別します。
地球との間の万有引力が「引力」で、
それと遠心力との合力が「重力」。

最初、これを習った時は、随分無茶な語法だなと思ったんですが、
考えてみると、一般相対論の基礎たる「等価原理」の発想から言えば、
遠心力(慣性力の一種)も「重力(gravity)」の一種なわけで、
それを質量分布に依存する「万有引力(universal gravitation)」と
運動に依存する「慣性力」とを合わせたものと考えるのは、
それほど無茶なことではないのかもしれません。

                                戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
                                 toda@lbm.go.jp