古寺です。

Ishidan さんwrote:

> 小田急の事故も知らなかったです。

私も、同形車両の引退に伴う記事の中でそういう事が有ったと、
さらりと書かれているのを見るまで全く知りませんでした。
小田急 4000 1800 脱線
で検索するとそれなりに引っかかるのですけど、
・1966年に旧型車両の車体載せ換えで登場
・1973年に2系列の混結で脱線、2度続いた
・カーブ上(と有ったコンテンツでは2件有ったと意識してないようで、
 両方共かは不明)
というくらいしか分かりませんでした。
よくもまあこれだけ組み合わせをするよなぁな小田急の中では、旧型
電車の機器を流用して車体と足回りを新調したのと、そのまんまのや
つの連結で、見た目と裏腹に素性は似てる方だったんですけどね。
むしろ作り直されてるメカニカルな方...台車中心間隔とそれにとも
なう台車中心と連結器までの距離(オーバーハング)とかの違いが無
かったか方が、曲線通過の挙動として気になっちゃいますが。
その点でも小田急はもっと凄いの...モーター付きの車を重くして
グリップを稼ごうと、モーター無しの車を3mも短く作った編成とか、
それがまた車体長さの異なる組み合わせの別編成と連結されたりと
かやってて。そっちは何も起こさなかったから、引退まで続いたん
ですよね。

> 失敗知識データベースにも載ってませんでした。
> http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search
> 載せる価値のある事例のような気がします。

それはどうでしょう。2度続いたからやめた方が無難と判断した...
だったとしたら、教訓として活かしにくいかと。
富士急線で起きた、ブレーキ多重化の切っ掛けになった踏切事故
など、教訓の残る事故なら私鉄でもちゃんと語りぐさになるもの
ですが...
まさかと思いますが、歴史上の事故を異系列混結という共通点で
カウントアップしておいて、今回もそれだって事で、一種の生け
贄探しを補強する...って趣旨ではないですよね。

> 学会発表の内容もわかりませんし、どの程度制動距離が伸び縮みす

それで派手なオーバーランが起きるほどの伸び縮みが有るほど
だったら壊れているか、欠陥で、もうちょっと分かりやすく、
とっくに「直せ」級の話になるもんですが...
通常、ブレーキ制御系の異なりとか、一部の電動車だけ回生失効
したくらいの「挙動」だと、乗り心地に出るような種類のもので
す。103系って分かりますかね。昔の緑の山手線とか、大阪環状線
では現役だったり。あのシステムで、国鉄末期の整備(調整)レベ
ルだと、挙動(ゴーンと来る)と後遺症の振動(ロックによるタイヤ
フラットが多くてガタガタ回る)で、通勤通学で使う不幸を呪った
り(^^;
いずれにしろ、それで直接脱せん云々言う性質のものじゃないで
すけどね。

> るのか判りませんけど、発表のネタになったくらいですから、あの
> 組み合わせは通常よりは問題があったのでしょう。

これは飛躍が有ると思います。
http://www.jsme.or.jp/0012130c.htm
を見ましたが、かつては上記103系とか、各社で主力車両から問題
点の洗い出しと対策を持ち寄る定番テーマの中に有るんですね。
「車輪滑走と制御」の中のテーマというところからの判断ですが。
混結云々でもなく、電空協調の話ですね。
これは今やすっごく進歩しました。一部のチャレンジングな私鉄
以外も電気制動を電力回生とする省エネタイプとするのが当たり
前となり、難しい制御要素が増えている(ネタは尽きない)のは
確かですが。
空気と電気の切り替えポイントが込めと、電気制動終了(昔は低速
で使えなかった)の2度、単純な操作でも必ず有ったのですが。件の
103系だと、電気制動の立ち上げ促進用の回路(予備励磁)が無い事
もあって、モーター付きの車でも一度強く空気ブレーキを掛けて
から切り替えるところが有って。その両方が重なるところが調整
足らないようでちょっと...
ような話は、国鉄解体後に職場購入が減ったとかで無くなってし
まった、本屋でも普通に買えた専門誌が以前有って、この手の研
究会の発表から注目度の高い物としてよく掲載されていました。

なお、前の記事で総括制御と言われる列車全体に加速、減速とそ
の程度を伝える制御系の下に、各車(または数両ユニット)ごとに
閉じた制御系が有って、個別のフィードバックループでそれぞれ
が動くから、乗り具合の分布や「T車」(非動力の純粋お荷物)の
分布によって、同一系列同士でも連結した編成では必ず推したり
牽いたりが起きますよ...と説明出来たかは自信無いですけど
書いたつもりで。
ただ最近は一歩進めて、制御線がただのハードロジックの信号線
でななくデータ伝送系になり、よりきめ細かい協調を編成単位
で行う方式も普及し始めました。所要性能を最小のモーターで
発揮したり、それで電力回生ブレーキは最大限使ったりするた
めに、グリップをフルに利用する方が主眼に見えますけど。

> ただ、学会はさておき「実際の運転に影響」があっても、それを報

とか「制動距離が伸び縮み」ですが、掛け始めから減速終了まで
フルブレーキで寸分も緩められずギリギリなんて非現実的なシチュ
エーションが継続したら、何cmとか変わったとかが出ると思うん
ですが。「実はこれが脱線の鍵じゃないか」と匂わせぶりな報道
のされかたに対して言うなら、数秒の常用ブレーキ→駄目だと判
断して非常...という流れの中で主体となる影響となるとはちょっ
と考えられません。
実際、この手の制御性のあまり良くない場合、挙動がまず乗り心地
に出ています。かつて、車両によっては出来が悪いねーなんて話題
になってたような車では、ゴッツンゴッツン来るんで通勤通学にも
あまり当たりたくないなぁと。それでもそれが致命傷でしょっちゅ
う脱線してたなんてことは無かったですが。

> 告出来るような社内環境かどうかは気になります。
> どんなに問題があっても報告があがらなければ「そのような報告は
> なかった」と言えるわけですから。

これはこれとして、そうですね。