加藤 義啓です。
 
30 #
29 #視聴はテレビ神奈川放映のものです。
28 #以下、アニメに留まらず
27 #原作ゲームのネタバレも含むので
26 #ゲームをクリアしていない方のうち、
25 #プレイするつもりのある方(笑)は
24 #ご注意願います。
23 #
22 #最終回になって気が付きましたが、
21 #この数字、全然更新して無かった(汗)
20 #      ↓
19 #尚、当人は第12話放映の時点で
18 #原作PC版『4』まで解析完了、
17 #『ビリプラ』及び『ファンディスク』は
16 #持っていないので『も待て』の内容には
15 #詳しくありません。
14 #
13 #略称凡例
12 #『1』…『FIRST LIMIT』
11 #『2』…『TARGET†NIGHTS』
10 #『3』…『−RAIN−』
09 #『4』…『+White Flower+』
08 #『ビリプラ』…『Be-reve Primary』
07 #『も待て』…『もう、待てないって!』
06 #
05 #
04 
03 .TITLE 12 【救出】
02 .TEXT ON
01 .SCT 12
00 
 
 
 前回の粗筋リプレイからスタート。
 …リプレイは初めてでしたっけ。最終回で
初めて前話リプレイがあるというのも…。
 
 【第12話 救出】
 
 空がいなくなった事で騒然としている綾野の
病院ロビー。
 …矢張り原作の病院より広そうですね。外見は
こじんまりとしている割に、意外と規模は大きい
ようです。
 
 そこに学が現れ、奏司達は事情を説明する。
青達は自らを責めるが綾野や祭は安心するよう
促す。
 
#学がトシゾウを抱えています。予約注文していた
#DVD第1巻が届いたので改めて観てみると、
#第1話からトシゾウは登場していました。
#実はアニメ版を通してのシンボルキャラクター
#だった!?
 
     ★ ☆ ★ ☆ ★
 
 相沢は直に衝撃の事実を語る。「全てあの時、
羽柴 空の実験は始まっていたのだよ…」空が、
直の手を振りほどいたのは相沢の人格操作による
暗示の結果だった。
 …そう来ましたか。アニメ版の中に於いては
辻褄は合っています。しかしアニメ版の相沢は
実験に対して、研究所を閉鎖したり再開したりと
ややのんびりしている感もありますね。
 
 真相を知り、これまで憎んできたもの、
その理由、心身に堪えてきたもの、それらが
全て無意味に崩れ去った直は相沢に掛かり、
芥が止めに入る。
 …陥れたのは相沢、最後に騙されていたのは直。
原作では、実は直が欺いていたというのが
ラストの大どんでん返しになっていましたが、
それに対してアニメ版はむしろ単純です。
しかし、原作のアタマがある私には、かえって
意表を突かれました。
 
     ★ ☆ ★ ☆ ★
 
 空は直を捜しに転落現場へと向かう。しかし
そこに直はいなかった。祭と学が追い付き、
空は直に謝りたいと呟く。
 …『4』の大半を省略している為に、その
繋ぎとして挿し返られているこの場面は当然
アニメ版オリジナル。それでも直を信じる、
というよりも、直への謝罪という意味合いが
強くなっています。
 
 その空に、相沢から携帯が入る。研究室に
1人で来れば直には手出しはしないと言う。
祭と学は止めようとするが、空はそれを振切って
走り出す。
 …この時点でラストの芥×学は消滅。ちょっと
残念ですね。
 
     ★ ☆ ★ ☆ ★
 
 椅子に縛られ拘束される直。挑発する芥。
羽柴には手を出すなという直に芥は「面倒だな、
愛などと言うものは」と言う。直は言い返す。
「可哀相な奴だ…。あんたはきっと、父親からも
母親からも愛されてこなかったんだろ。いい加減、
自分を解放してやったらどうだ…!」
 …むしろアニメ版の芥は、父・相沢とは強い
絆があるようにも思えますけれどもね。
 
 「藤守!」空は現れ、芥に殴りかかる。飛ぶ
眼鏡。砕ける薬品のビン。「今のは俺の分!
こいつは市川の分だ!」
 
#2ちゃんねる実況板では『ドラゴンボール』ネタで
#盛り上がっていました。『ジョジョ』ネタが
#最初に頭に浮かぶ私はマイナーでしょうか?(^^;;
 
 「市川が言ってたぜ、あんた、凄ぇ才能
あんだろ! だったら何でこんなくだらねぇこと
やってんだよ! 相沢の息子なんかに生まれて、
真っ当でいろって方が無理かもしんねぇけど、
いつまで経っても人のせいにして逃げて
ばっかりいたって何も変わんねぇだろ!」
「フ…説教か」「あんたの為じゃない、
市川の為に言ってんだ!」「あんな奴、関係
無い」「けど市川は今でもあんたの事、大切に
思ってるぜ!?」
 …研究所救出の芥×学を、学を登場させずに
描いたという感じでしょうか。
 
 「人を好きになるって凄ぇ事だと思うよ…。
…けど、それは理屈なんかじゃねぇ」
 …セリフとして喋らせてしまいましたね。
しかし、原作厨とか云々とか、そういうのは
抜きにして、「好きとは理屈では無い」という
“答え”は、敢えて語らずに、それぞれのキャラクターの
感情をぶつけ合う末にプレイヤー自身がそれを
見出す原作の方が、意味深い気がします。
口に出すと軽っぽく感じられてしまいます…。
 
#飽く迄も個人的に。この「好き」の意味を
#テーマとしたのはBL作品であればこそ
#だと思っています。ぶっちゃけ、普通の
#男女の恋愛であれば、それはごくごく
#ありふれた事。主人公が疑問に思う事も
#戸惑う事も無いか、もしくは少ないです。
#…単なる、原作ファンのヨイショかも
#しれないですけれど。
 
 相沢が突っ込む。「だからこそ君は、
危険を冒してまで藤守 直を愛してきた。
…そうだな、羽柴 空。いや、ナンバー013」
 …最終回でようやくナンバーが登場しました。
 
#2ちゃんねる実況板によると、「013」は
#反転させると「Ero」になるのだとか。
#原作プレイ中にも気付きませんでした。(^^;;;;
 
 挑発を続ける相沢。「君はまだ私の
人格操作の支配を受けているのだよ…」
そして、「確かめてみるか?」とライターの
火を見せる。蘇る過去。ライターの火を
押付けられ、髪の毛を焼かれる幼い空。
 …うゎっ、そういう虐待ですか。(汗)
こういう場面自体は原作では描かれて
いなかったので、局所々々はアニメの方が
痛い気もします。(汗) 第7話の、直の、
水に対するトラウマの謎もここで解けました。
 
#余談。空を「風」、直を416の呼ぶニックネーム
#「すなおとこ」から「地」と読むと、4大元素が。
 
 やっと縄を解く事の出来た直は相澤に
殴り掛かる。ライターは飛び、先程床に
飛び散った薬品に引火する。火に包まれ
自失する空。
 …火事をラストに持ってきましたか。
火に対するトラウマという新規設定なりに
料理している感じです。ただ、最後で
謎を解決させただけに、やや唐突な気も
します。
 
 直に声を掛けられ我に返る空。薬品爆発を
繰り返す部屋から手を繋ぎ合い、走り出す。
 …原作モティーフを使っていながら、
最早別物。結果、ありがちな展開になって
しまったかなぁ……という印象です。
 
 「またと無い実験のチャンス…!」と悪笑する
相沢。リモコンのボタンを押すと、部屋は
鉄板で封鎖される。残された、ただ1つの
出口を求めて2人は走るが、直の“足の躓き”が
発動し、“あの時”が再現される。相沢の
「離せ」という暗示。必死に発動を押さえ、
遂に打ち勝つ空。「今度こそしっかり掴んだぜ…、
安心しろ藤守、お前を置き去りになんか
絶対しねえよ」
 …もう一味欲しい展開ですが、この長さの
テレビアニメでは難しいでしょうかね…。
 
 啖呵を切る空。「いいか、相沢! もう
お前の言いなりなんかならねぇ!」意表を
突かれた面持ちの相沢。
 …自らの理論絶対主義で予測外が起きる
事に慣れていないのは原作同様です。
 
 2人を追おうとする相沢に立ち塞がる芥。
「そこをどけ!」「行かせませんよ」相沢から
目を離さず、2人に「早く行け!」と促す。
「あなたの実験は失敗したんです。もう
諦めたらどうです」「そこをどけ! …何故だ」
「何故かな、俺でも変わる、そんな気が
したんです」
 …原作には無い脱眼鏡の芥。結構、美少年です。
 
#そして変わろうとする芥、迎え入れようとする
#学のカプで、DVD7巻は『も待て』外伝とかが
#収録されるのでしょうか?(^^;;;;
 
     ★ ☆ ★ ☆ ★
 
 毛布にくるまりながら待つちび3人と学、
そして祭。朝霧の向こうから空と直が帰ってくる。
 …見よ、勇者は帰る(表彰式曲のタイトル)
ま、それはさておき。結局、アニメ版青は
クローンでは無かったのでしょうか? 第3話の
ラストの七海のセリフの真相は何…??
 
     ★ ☆ ★ ☆ ★
 
 真一朗の集中治療室。何かの鼓動を感ずる
七海がナースコールを押す。「どうした七海!?」
「真一朗が…」
 …しかし真一朗自身は目覚めず、最後まで
出番無し……。まぁ、ここで目を覚まして起上ったり
するとベタベタな展開になってしまいますが…。
 
     ★ ☆ ★ ☆ ★
 
 朝。登校を追い掛ける直。「羽柴!」振り返る
空に一瞬の夜の面影、そして直にも一瞬のらんを
見る。「…どうした?」
 …夜とらんは果たして……?
 
 そこにはまた昔の3人の姿があった。「うるさい、
ばか羽柴!」「藤守、祭、ちょっと待てよ!」
エンドロール、幼少時の3人にクロスフェード。
 …あぁっ、意表を突かれた! こういう帰結ですか!
 
     ★ ☆ ★ ☆ ★
 
 謎の次回予告。以下、全文引用。
祭:「『好きしょ!』はひとまず終るけど、
   僕達の学園なんでも屋はまだまだ続くよ!」
空:「あぇ〜、まーだ続くのかぁ、かったりぃ〜」
祭:「当然! 学園なんでも屋と僕達の
   友情は不滅だから〜♪ そして、
   空とナオくんの愛も永遠!…だよね?」
直:「まっ、祭ちゃん! 怒るよ!?」
祭:「とにかく、またどこかで皆と会えると
   いいね」
空:「観てくれてサンキュー!」
直:「じゃあまたね!」
3人:「バイバ〜イ!」
《おしまい》
 …エンドロール、最終回にも関わらず
「予告アニメーション」の項があるので
何かと思ったら本当にある謎の予告。(笑)
 
 
 総合評価。
 最終回でどのように纏めるのかと思って
いましたが、原作モティーフを使いつつ、
まったくの別物として帰結した感じがします。
これが良いか悪いかは、人によって大きく
評価の分かれる処でしょうが、リアレンジ
自体は、原作厨から離れれば、まずまずだと
思います。ただし、それでも急展開以降の
流れが急ぎ過ぎであった為、強引であった
印象は否定できません。
 原作「友情End」のような形で終らせ、
エンドロールのイラストに帰結させるのは
予想外。第1話でこれが『1』の「友情End」と
『3』の昔の写真であった事に気付いて
いたのだから、勘が良ければその帰結は
読めていても良かったかも…?
 個人的には原作の“12億円”こそ、アニメ前半の
ドタバタに合っている気がするので、これで
シメて貰いたかったですが、…こういう終り方も
アリかなぁ…とも。
 
 全体を通しての総合評価。
 5段階評価で3だと思います。初の
18禁BLゲーが原作の地上波アニメ作品としては
よく頑張った方では無いでしょうかね。
ただ、満点には程遠いです。かといって、
劣悪という訳でも無い。伏線を張り捲った
4部作の原作をテレビアニメにするのに、
1クールはあまりにも短過ぎたのでしょう。
長期シリーズとして組むか、1クールに
するならば冒頭から本編シリアスに絞って
進めるか、或いは広夢や416といった
小ネタのみを摘んで行くシリーズにするか、
そうした判断が求められたかもしれません。
勿論、その結果出てくるであろう批判も
否定は出来ないでしょうが、本作は
手幅を広げ過ぎた結果、中途半端の
どっちつかずな作品になってしまったように
思われます。
 不良達を登場させる反面、クリスや
桐人は登場しない、うめちゃんは登場しても
喋らない等の問題もありましたし。
 これは確かに『好きしょ!』だとは
思う。でも、矛盾しているようですが、
同時にこれが『好きしょ!』だとは
思って欲しくない自分がいます。それは
たぶん、どのアニメ作品でも言える事かも
しれませんが、世間的によりマイナーであり、
恐らくはアニメを通じてしか『行きしょ!』を
知り得なかった人が多かろう事に、より強く、
そう感じます。
 
 
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I 加藤 義啓  katoocom@eos.dricas.com I
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