Re: 誘導輻射と波動関数
ディラックは、その教科書の中で
光のシュレディンガー表示の運動を
そのHamiltonianを構成した後、
シュレディンガー方程式の形で与えていますが、
そこまでで、その先はありません。
Maxwell方程式は、
相対論に従う構造と
量子論に従う構造の両方を
ビルトインしています。
ですから、朝永らの考察した
共変形式の理論として
最初から出直さなくては
なりませんでした。
非相対論的に成立する
電子の波動関数と同じ意味の光の波動関数は、
一般論を越え実験を促すような単純な系で
その形を具体的に求められるものでは
なかったようです。
また、その後の展開でも
相互作用の摂動的扱いに終始せざるを得ない
状況の中で、いつしか
光の波動関数は忘れ去られ
ファインマンダイヤグラムの
グリーン関数の計算問題や、
経路積分の計算問題に
すべての理論的基礎が求められるようになって
現在に至っていると思われます。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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