青龍です。

 "Yoshitaka Ikeda" <ikeda@4bn.ne.jp> wrote in message news:chgt7v$e8j$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp...
> 青龍さんの<chfbs5$bp2$1@news511.nifty.com>から
> > これは否定派がよく使う詭弁です。
> > 「中国政府が宣伝している」という限定を付けて、30万人の虐殺を
> >否定する一方で、では実際には何人が殺されたのか、それは大虐殺
> >と呼べる規模ではないのか?という問題については言及しないのです。
> 
> たいてい否定派は、日本側による精密な調査を主張していますが、
> 中国がそれを受け入れるわけもなく、進まないといった構図です。

 日本側じゃなくて、否定派による調査を主張しているんでしょう。
そりゃ、最初から無かったといっている人間に調査させたところで
無意味だからに決まってます。
 
> あと、大虐殺は数の問題じゃないと思う。
> 便衣兵が何千万人死のうとそれは虐殺には相当しないし。

 否定派初心者がやる典型的な間違いですね。
 その主張は以下の三点から成り立ちません。
・「便衣兵」とは、軍服を脱いで、一般市民に紛れて攻撃してくる
兵隊をいうのであり、戦意を失って闘争しているものは含みませ
ん。実際、当時の記録を調べても、民間人に化けた「便衣兵」か
ら攻撃を受けた記録は存在していません。
・次に、南京で、兵隊が降伏せず軍服を脱いで逃走した背景とし
て、日本軍が降伏した兵隊すら、処刑していたことが挙げられま
す(これは日本側の記録として残っていて、以前、fj.soc.historyで
も議論になりました)。
・また、仮に、「便衣兵」が存在していたとしても、その処刑は裁
判を経なければなりません。実際、この過程を経なかったため
に、多くの民間人が「便衣兵」と間違われて処刑されています。
このような悲劇を防ぐためにも、例え簡易とはいえ裁判が必要
なのですが、日本軍はそれすらやっていません。

> 「被害を増やした方がありがたい」側が調査したものしか存在しないのでは、
> そこから導かれたどんな結論も無意味でしょう。

 これなんか見ていると、本当に南京大虐殺についての基礎知識
を持っているのかさえ疑います。
 現在、議論の素材となっている虐殺の証拠というのは、ほとんど
が、日本側と、安全区にいた第三国の外国人の記録ですよ。それ
だけでも、数万の不法殺害を認定出来るのに、最初からなかった
ことにしたい人間が調査をしたいといったって受け入れられるわけ
がありません。
 
> 「謝罪」してさらにいろいろ金がついてくるから、「謝罪要求」をしてくるわ
> けです。要求してもなにも出てこないんだったら中国は謝罪の要求なんてしま
> せんよ。いい加減どこかで負のループを断ち切るべきだと思います。

 謝罪したからお金を払わなくてはならないと言う理屈は成り立ちま
せんよ。
 日中共同宣言の際に、日本は戦争責任を認めましたが、それから
発生する賠償責任を中国側は放棄しています。つまり、謝罪によって
明確になる責任の所在の明確化は、既に謝罪の前に済んでいるし、
それによって生じた責任も中国側の放棄によって、問題とならなくなっ
ています。これらの理由から、日本にとって謝罪したから不利になると
いう主張自体がそもそも成り立たないのです。
 その後のODAなどの援助は、賠償を放棄した中国に対する負い目
からなされていると見るべきで、決して謝罪したからODAをやっている
という関係にはないのです。
 むしろ政治家が馬鹿な発言をしたりして日本側の負い目を増やして
いくから、中国側の金銭要求を断れなくなっていくのです。